歯科矯正で顎変形症は治せる?外科矯正について

  • 2023.05.312024.02.29
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皆さんは「顎変形症(がくへんけいしょう)」をご存じですか?顎変形症は顎の骨の形やバランスに問題がある状態のことを指します。顔貌だけでなく、歯並びと噛み合わせにも大きな影響を与えてしまうことも多いです。本記事では、顎変形症とは何か、歯科矯正で治せるのかについて解説します。

顎変形症とは?

顎変形症とは、上下の顎骨の形や大きさのバランスが崩れ、変形している状態を指します。矯正歯科の精密検査を行ったうえで骨格的なズレがあると判断された場合、顎変形症と診断されます。主に以下のようなケースは、顎変形症と診断されやすいです。

 

  • 下顎が大きく前に出ている
  • 下顎が著しく小さい
  • 上顎が大きく前に出ている
  • 顎が左右に大きくずれている

 

顎変形症の原因は明らかになっていませんが、遺伝による影響が大きいと言われています。また、幼少期の指しゃぶりや舌の突出癖などが関与しているという説もあります。そのため、顎の変形は子供の頃はほとんど気づかず、顎が急成長する時期になって明らかになることが多いです。

顎変形症を放置するとどうなる?

顎変形症を放置すると、見た目だけでなく噛み合わせや発音、咀嚼など、お口の機能にさまざまな問題が生じることがあります。

  • コンプレックスを持ちやすくなる
  • 食事や発音に問題が生じる
  • 顎関節の痛みや不快感が生じる

顎変形症による影響は個人差がありますが、見た目への影響が大きくなりがちです。たとえば、下顎が前に大きく突き出ている場合、しゃくれの状態になるためコンプレックスを持ちやすくなります。

さらに、噛み合わせにも問題が生じると、舌や口の動きが制限されて発音や咀嚼に影響を与えることがあります。また、顎変形症により顎関節に負担がかかると、顎関節が痛んだり顎変形症を引き起こしたりする可能性があります。

顎変形症は歯科矯正ができる?

軽度の顎変形症は、歯科矯正によって改善が見込めます。歯科矯正は、歯並びを整える治療と認識されていることが多いですが、歯を支えている骨を正しい位置に移動させることも可能です。

歯科矯正には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など矯正装置を使用して歯並びと噛み合わせを整えます。ただし、顎骨のズレが大きい場合は矯正治療に加えて、顎の骨を切って適切な位置に移動する手術が必要です。

顎変形症の矯正治療は保険治療が適用になる?

顎変形症の矯正治療は、症状が重度でかつ日常生活に支障をきたす場合、保険治療が適用になることがあります。保険治療が適用になるかどうかは、以下のような規定があります。

  • 手術を必要とする顎変形症と診断された場合
  • 顎口腔機能診断施設の指定を受けている医療機関に受診すること

 

保険治療は、上記の条件に加えて保険のルールに従わなければなりません。たとえば、術前と術後に矯正治療を行うこと、矯正治療はワイヤー矯正(表側矯正)に限られているなどが挙げられます。

お住まいの近くに指定の医療機関があるかどうかは、以下のサイトから探し方が記載されています。あわせて参考にしてください。

保険診療できる矯正歯科はある?保険適用になるケースや症例とは

参照:公益社団法人 日本歯科医師会 矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは

保険治療が適応されない場合でも、自由診療での治療が可能です。自由診療の場合は、お口の機能回復に加えて、口元の審美性を考慮した治療が受けられます。どちらの治療を受けるかは、歯科医師と相談しながら適切な治療方法を選択しましょう。

外科矯正とは?

重度の顎変形症で歯列矯正だけでは顎の骨の問題を根本的に改善できない場合は、外科矯正が選択されることがあります。外科矯正とは、手術を伴う歯科矯正のことです。手術方法は症例によって異なりますが、顎の骨を切り、適切な位置に移動します。

外科矯正の流れ

外科矯正は、以下のような流れで行うのが一般的です。

1..手術前の歯科矯正

外科手術を行う前に、事前の歯科矯正が必要です。歯並びと噛み合わせを整えるため、矯正装置(ワイヤーとブラケット)を装着します。これにより、手術後の噛み合わせをスムーズに調整することができます。なお、手術を先に行ってから歯科矯正を行う「サージェリーファースト」と呼ばれる方法もあります。

2.手術

手術は全身麻酔下で行われ、顎の骨を切り、適切な位置に移動させます。口腔内からアプローチするため、顔面に傷跡は残りません。

この手術によって、顎の骨や噛み合わせの問題を根本的に解決し、顔のバランスを改善していきます。手術自体は数時間で終わりますが、10日前後の入院が必要です。

3.手術後の歯科矯正

手術後、顎の骨が安定するまで待ちます。歯科矯正を再開し、歯並びと噛み合わせの微調整を行います。

外科矯正のメリット・デメリット

外科矯正のメリットとデメリットは、以下の点が挙げられます。

【メリット】

  • 根本的に改善できる
  • 顔や口元のバランスが整う
  • 保険が適用される
  • コンプレックスが解消される

【デメリット】

  • 手術と入院が必要
  • 3~4年と長期間にわたる治療が必要
  • 手術後の腫れや痛み、出血、感染症などが発生する可能性がある

 

軽度の顎変形症の場合には、歯科矯正だけで十分な結果を得ることも可能ですが、外科矯正は顎の位置を整えるため、根本的な改善が期待できます。ただし、外科矯正は手術と入院が必要になるため、検討する際はメリット・デメリットをよく理解しておくことが大切です。

気になる場合はまず歯科医院へ相談へ

「もしかしたら顎変形症かも」「顎変形症かどうか気になる」という方は、歯科医師に相談しましょう。顎変形症は、症状や重症度が一人ひとり異なります。適切な治療方法を見つけるためには、精密検査が必要です。

顎口腔機能診断施設でなくても歯科矯正を提供している一般歯科であれば、顎の状態や症状を詳しく診察してくれます。

まとめ

顎変形症は歯科矯正によって治療することができますが、場合によっては外科矯正が必要になります。外科矯正は、顎の形や位置を改善するために行われ、口腔外科医の専門知識と技術が必要です。

顎変形症で悩んでいる方は、まずは歯科矯正を行っている歯科医院を受診することをおすすめします。顎変形症の治療には時間がかかる場合もありますが、適切な治療を受けることで噛み合わせが改善され、顔のバランスも整うでしょう。

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