歯列矯正で気になることと言えば、「歯列矯正を受けている時に痛みがあるのか?」「どのくらい痛みがあるのか?」「矯正中はずっと痛みが続くのか」などの疑問ではないのでしょうか? 歯列矯正で感じる痛みは個人差があるものの、多くの方が痛みを自覚しています。 では、なぜ歯列矯正で痛みが起こるのでしょうか?痛みの原因や対処法などを詳しく解説します!
歯列矯正とは?
歯列矯正は矯正治療の治療法のひとつで、歯を動かして歯並びを改善する治療法です。
歯列矯正にも種類があり、ブラッケットとワイヤーで歯を動かす方法や、マウスピースを使った矯正、前歯などの気になる一部分を矯正する方法などさまざまです。
これらの治療法はそれぞれの費用や期間、メリット・デメリットが違うため医師と相談して自分に合ったものを選択しましょう。
成人の歯列矯正はなぜ痛いのか?
歯列矯正を大人になって始めた方は、歯茎や骨が成長して一度固まった状態から歯を動かすことになります。
骨が固くなっている歯に矯正装置を使って、正しい位置に動かそうとするため、大人は小児に比べると特に痛みを感じることがあります。
もちろん痛みの感じ方や程度には個人差がありますが、歯列矯正を開始した2~3日程度は痛みを感じます。
歯列矯正で起こる痛み
では歯列矯正中の痛みはいつ起こるのでしょうか?歯列矯正は歯を動かすための矯正装置を使った治療が終わるまでに1~2年の期間が必要になり、治療終了までに以下のような痛みが起こることが考えられます。
矯正装置を付ける時の痛み
歯列矯正をする際には、ブラケットなどの矯正装置を歯に取り付けて歯を動かしていきます。
矯正装置はさまざまな種類がありますが、大多数の方が矯正装置を付けた翌日から歯や歯茎に痛みを感じます。
痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みのピークは2~5日程度です。
歯が動くことによる痛み
矯正装置を付けた後は徐々に歯が動いていきますので、歯の根っこの部分に違和感や痛みなどの症状が現れます。
風邪を引いた時に歯が疼く感覚に似た違和感がある方もいれば、顕著に痛みがある方などさまざまですが強い痛みは1週間程度で治まります。
1週間後程度たてば何もしていない時の痛みは徐々に落ち着いていきます。
通院して装置を交換する時の痛み
歯列矯正では矯正装置を付けた後は定期的に歯科に通い、歯が動いているのを確認して矯正装置を新しいものに交換をします。
交換した後は再び歯が動くので、痛みが現れる場合がありますが治療を開始した初期の頃と同様に数日間で痛みは落ち着いていきます。また、交換時の手技によっては歯に力が加わるため痛みを伴うことがあります。
矯正装置で口内炎ができたことによる痛み
矯正装置の種類にもよりますが、治療開始後はブラケットが頬の内側に常に当たってしまうことや、ワイヤーの長さが合っていないと頬の内側を傷つけてしまう可能性があり、それによって口内炎が出来てしまいます。
矯正装置が内側についている場合は、舌にブラケットが触れてしまうため、舌に口内炎が出来る場合もあります。
歯磨きをするときに起こる痛み
矯正を始めたばかりの頃や、矯正装置を交換した後は歯磨きの時に痛みを感じる場合があります。
特に装置を付けてすぐは歯が動くことにより歯に炎症が起こっているため、歯と歯茎の間を磨く時や、装置を付けている部分に触れた時に痛みを感じることがありますので注意しましょう。
ご飯を食べる時の痛み
厄介なのはご飯を食べるときに咀嚼をすることで感じる痛みです。食事は当然、歯を使いしっかり噛んで食べることが大切ですが、矯正を開始したばかりの頃は歯の痛みの他に顎の周辺の痛みを感じることもあります。
中には矯正を開始した翌日からの痛みで食事を摂ることができないという方もいますので、必要に応じて医師の処方を受けた、痛み止めを服用しましょう。
歯列矯正の痛みの対処法
歯列矯正を始めると痛みの程度や状況は違っていても、少なからず起こり矯正装置を交換するたびに同じような痛みがついて回りなかなか辛いものです。
痛みを軽減させるためにはどのように対処すればよいのでしょうか?
痛み止め
矯正装置を付けたばかりの頃は1週間程度何もしていなくても痛みを感じる場合がほとんどです。その中でも2~5日は痛みのピークと言われており、強く痛みを感じる場合は、医師から処方を受けた痛み止めを飲みましょう。
治療中は硬いものは控える
矯正装置を付けてしばらくすると徐々に歯に痛みが現れます。すると当分の間は硬いものを食べた時に痛みを感じることや、治療中に付けている装置が曲がることや外れる原因になってしまいます。
矯正開始後すぐは、麺類やおかゆ、ヨーグルトなどで様子を見みて、徐々に普通の食事に戻しましょう。
歯ブラシを変える
歯列矯正中は、装置を付けているため普段より歯磨きがしにくくなり、歯磨き中に痛みを感じることがあります。
治療中は、歯垢や食べ物が装置と歯の間に残りやすくなってしまうので、小さめの歯ブラシや歯列矯正専用のブラシ、ワンタフトブラシなどを使って力を入れ過ぎずしっかりと磨きましょう。
ワックスの使用
ブラケットと呼ばれる装置が頬の内側や舌に当たって痛みや口内炎が出来る場合は、ワックスと呼ばれる粘土を、矯正装置を覆うように付ける事で粘膜と装置の直接の接触を防ぎ、痛みを軽減することができます。
こんな時は病院に相談
成人の歯列矯正で起こるトラブルはいくつかありますが、矯正後に歯茎が下がってしまった場合や、矯正中や矯正後に歯周病が悪化する場合があります。
どちらの場合も通常は虫歯や歯周病の治療を終えてから歯列矯正を開始しますが、歯周ポケットが深かい場合や、歯を動かす場所に骨がない場合はこれらの症状が起こる可能性があります。
矯正中だけでなく矯正後もご自分で歯と歯茎の状態を確認し異常があれば医師の診察を受けましょう。
歯列矯正を受ける多くの人が治療中に痛みを感じますが、痛みのピークは2~5日程度で、徐々に痛みは落ち着きます。しかし、矯正装置を交換するたびに同じような痛みが続くため状況に合わせて痛み止めを服用しましょう。
歯列矯正で感じる痛みは個人差がありますが、長期間生活に支障をきたす痛みではありません。事前に医師と相談して痛みについてもしっかり聞いておくとよいでしょう。