矯正装置が外れた後に『保定期間』があることを知っていますか? 一般的に矯正期間はどの位か確認する方も多いのですが、この矯正期間には保定期間は含まれていません。 保定期間は整った歯並びを定着させるための大切な期間なのですが、どのような役割でどの様な装置を使用するのでしょうか。 そこで今回は矯正後の保定装置の特徴や種類、保定期間について詳しくご紹介します。
保定装置とは?
矯正治療は、矯正装置を使用して、歯並びを整えていきます。
現在は様々な矯正方法や種類がありますが、どの方法を選択しても、歯並びが整った後に『保定期間』があります。
矯正治療で歯並びが整っても、まだ歯の周りの骨がしっかりと固定しているわけではありません。
矯正では、本来かからない力をかけて歯をうごかすため、特に矯正装置を外した直後は自然な反応で以前歯があった場所に戻ろうとする『後戻り』をしようとします。
保定期間は、せっかく整った歯が後戻りしてしまうことを防止するために、『保定装置』を使用して整った歯が固定されるための大切な期間です。
保定の期間
『保定期間』は矯正の『動かす期間』と同じ位の期間がかかる場合が多く、保定の期間が長いとその分後戻りのリスクが少ないといわれています。
保定期間中もずっと1日中装着しているのではなく、歯科医師と相談して徐々に状況によって装着時間を減らすようにしていきます。
ただ、後戻りのしやすい最初の半年程度は食事の時間以外装着することが望ましいです。
その後は、日中の3時間程度~5時間程度に移行して、問題がないようであれば就寝中の時間のみの保定装置の使用に移行することが多いです。
保定装置には取り外し式や固定式などいくつか種類がありますが、矯正装置のようにがっちりと歯を固定するのではなく、少し余裕を持たせて少しずつ歯になじむ様にしていきます。
保定装置の種類
フィックスタイプリテーナー(固定式)
歯の裏側にワイヤーと固定して保定するので、取り外しはできません。
その分しっかりと固定ができるので、矯正装置を外した直後や舌の癖がある場合に使用することが多いです。
矯正装置に比べるとかなりコンパクトで歯の裏側に装着するので、見た目は保定装置をつけていることがわかりません。
ベックタイプリテーナー(取り外し式)
一般的に広く使用されている保定装置で、取り外しをすることができます。
形状は表面が針金で内側がプラスチックのプレートからできています。
そのため、見た目には針金の部分しか見えず、ブラケット装置に比べると見た目はわかりにくいです。
また、食事の際には取り外すようにするタイプですが、熱い飲み物を飲む際もプレートが変形してしまう可能性があるので、取り外して飲む必要があります。
ホーレータイプリテーナー(取り外し式)
ホーレータイプリテーナーも取り外し式で表面が針金で、内側がプラスチックですが、主に前歯を中心に保定するタイプの保定装置です。
ベックタイプリテーナーの針金が全部カバーしているのに対して、ホーレータイプリテーナーの針金は前歯の部分をカバーする形状です。
QCMリテーナー(取り外し式)
ベックタイプリテーナーと形状は似ていますが、前歯の部分が透明なので、見た目が気になる方におすすめの保定装置です。
矯正装置と同様、すべての矯正歯科で取り入れているわけではないので、希望する場合には確認しておくと安心です。
クリアリテーナー(取り外し式)
透明のマウスピースタイプの保定装置で見た目がほとんど分からず審美性に優れています。
ただ、装着していると上下がかみ合わないため、積極的にかみ合わせを安定させたい場合には適さないこともあります。
こちらも参考に!
矯正治療を確実に成功に導くためにも保定期間は重要です。
一方で保定期間に何らかのトラブルが発生することもあり、その際には迅速な対応が必要です。
その時にご自身に合った医院を最初から選んでおけば、相談しやすいですし、そもそもアクシデントが発生するリスクも少なくなるかと思います。
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舌のくせと後戻り
歯並びが悪い方は、舌で歯を押す癖がある場合が多いです。
歯並びが改善しても、舌のくせが改善していないと後戻りをするリスクが高くなります。
通常は、矯正治療と平行して舌のくせも改善していくことが多いのですが、矯正装置が外れたあとも舌のくせが改善していない場合にも後戻りを起こす原因になってしまいます。
そのため、できれば、矯正治療と一緒にスタートすることが望ましい舌癖トレーニングですが、改善されていない場合、矯正装置が外れた段階でも舌のくせを見なおして、トレーニングでなおす様にしましょう。
保定期間に気をつけること
正しい装着時間を守る
取り外し式の保定装置の場合は、食事の際に外すことができるのですが、外したまま生活している時間が長くなると後戻りのリスクが高くなります。
特に矯正直後で装置が外れて開放的になってしまい、保定装置を使用しないと少しずつ歯が動いてくる場合もあります。
せっかく矯正した歯をきれいな状態で保つためには、歯科医師に決められた装着時間をしっかり守りましょう。
歯がしっかりと固定されると少しずつ保定の時間も短くなってきます。
保定期間は矯正後の大切な時間と考えてあと少し頑張りましょう。
保定装置の取り扱い方
内側にプレートが着いているタイプのリテーナーは、装着した時に違和感が少なくなる様に薄く作られています。
そのため、取り外しや洗浄の際に力を入れすぎると破損する可能性があるので、取り扱いは十分注意をしましょう。
洗浄方法
保定装置もお口の中に入れるものなので、必ず洗浄しましょう。
この時、熱湯で洗浄すると、プレートが変形してしまう可能性があります。
必ず流水で洗浄して、専用の洗浄剤を使用しましょう。
金属のついている保定装置は、長すぎる洗浄がサビなどの原因になることもあります。
必ず洗浄剤の使用時間を守って洗浄する様にしましょう。
保定をしないでいると?
保定をしない場合には、矯正直後であれば少しずつ歯並びが動いて、再度矯正装置をつけなければいけない場合もあります。
矯正期間中ほどではありませんが、保定期間中も定期的に通院してお口の中の環境が変わっていないか、汚れが着いていないかを確認する必要があります。
定期メインテナンスを受けていることで少しの変化でもすぐに対処することができます。
まとめ
矯正装置が外れたからといってすぐに矯正が終わりということではありません。
保定期間も大切な矯正期間と考えて決められた時間しっかりと保定装置を使用しましょう。
また、きれいな歯並びを維持するために定期メインテナンスもしっかりと受けて、整った歯並びと最適なお口の環境を手に入れましょう。