矯正治療は数年単位の治療期間がかかるといわれています。
長い治療期間中であるため、どのように治療が進んでいくのか、治療の変化を実感できるまではどのくらいかかるのか、不安を覚える方も少なくありません。
そこで今回は、マウスピース型矯正装置の代表的なメーカーであるインビザラインにおける治療の変化について、詳しくご紹介できればと思います。
インビザラインの変化はいつから?
マウスピース型矯正装置の中でもトップシェアを誇るインビザラインは、歯が動くように設計されたマウスピース(アライナー)を付け替えて歯を少しずつ動かしていきます。
ワイヤー矯正と比べるとインビザラインは歯を少しずつ動かしていく特徴があり、ワイヤー矯正よりも変化がわかりづらいともいわれています。
一般的なインビザラインの治療期間
歯並び・かみ合わせの状態によって治療期間は変動していきます。
そのためこちらでは平均的な治療期間のご案内となりますが、およそ2~3年といわれています。
「長い!」と感じる方も中にはいらっしゃるかと思いますが、矯正治療は顎の骨の中で歯を動かし、歯並び・かみ合わせを整えていきます。
一定の方向から歯に力を加えることで片側の骨が吸収され歯が動き、歯が動いて生まれたスペースに新たに骨が再生される仕組みが矯正治療中お口の中で繰り返し行なわれています。
そのため、歯を急激に動かしてしまうと脱落してしまうリスクが高くなるため、歯を支える骨の吸収と再生のスピードなどにも考慮した治療を行う必要があります。
マウスピースの交換枚数と歯の動くスピード
マウスピース矯正の多くが、歯が動くように設計されたマウスピースを付け替えて、歯を動かしていきます。
インビザラインにおいては、1枚につき0.25mmほど歯が動くといわれています。
0.25mmといわれてもあまりピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、官製はがき1枚の厚さがおおよそ0.22mmといわれていますので、だいたい1枚マウスピースを交換するたびに官製はがき1枚分の厚さ程度歯が動くと考えていただけるとイメージしやすいのではないでしょうか。
歯並び・かみ合わせによって必要になる枚数は異なりますが、マウスピース矯正で使用するマウスピースの枚数は平均して40~50枚ほどです。
変化を感じるタイミング
前述でお伝えしたように、マウスピース1枚で0.25mmほど歯が動いていき、2週間に1度の頻度でマウスピースを取り換えます。
これらを踏まえると1ヶ月でおよそ0.5~1mm、歯が動いていくと推測できます。これもまたピンと来ない数字となりますが、1円玉の厚さが1.5mmなので、2ヶ月で1円玉の厚さ以上は歯が動く計算となります。
そのため矯正治療を始めてすぐに変化を得ることは難しいのですが、早くとも2~3ヶ月から遅くとも6ヶ月までには変化が見えてくるのではないでしょうか。
変化を実感できるまでの期間は個人差がありますので、「まだあまり変化が見えない」と感じた場合は、不安を抱えたままの状態は精神的にも負担がかかってきてしまいます。迷うことなく担当の歯科医師に相談しましょう。
インビザラインの効果を最大化するためのポイント
インビザラインの効果を最大化することで、変化を感じやすくなります。効果を最大化することで、矯正治療をスムーズに進めていくことにつながりますので、以下のポイントをおさえていきましょう。
インビザラインの装着時間を守る
インビザラインの1日の装着時間は22時間です。しかし、1日の生活の中で取り外さなければならないシーンもあります。
・歯磨きをするとき
・食事をするとき
・水以外の飲みものを飲むとき
自身で取り外しできるメリットはありますが、つけ忘れなどをしてしまうと、計画通りに歯が動かせなくなり、変化も感じられません。
特に治療を始めたばかりは「マウスピースを装着する」ことが習慣となっていないため、装着し忘れたり、装着が面倒に感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、ここでしっかりと習慣付けることが変化を感じられる近道となるため、根気よく続けましょう。
定期的に通院する
通院頻度には個人差がありますが、多くの方はインビザラインによる治療を開始し始めのときは1ヶ月に1回、治療が軌道にのれば2~3ヶ月に1回の頻度で通院が必要になるといわれています。
来院時には、歯が計画通りに動いているのか、修正点はないかなどを確認してきます。
予定通りに通院することができないと、計画通りに治療が進まず、変化も実感しづらくなるため注意しましょう。
口内ケアを怠らな
インビザラインでの矯正中に限らず、矯正治療中に歯磨きや口内ケアを怠ってしまうと、むし歯や歯周病を引き起こす恐れもあります。
特にインビザラインは大きくむし歯が進行してしまうと、むし歯部分を大きく削るため、前もって製作されたマウスピースが合わなくなる可能性が高くあります。
また、歯の神経を取り除く「根管治療」にまで発展した場合は、さらにむし歯治療完了までに日数を要してしまうため、マウスピースがまったく合わなくなってしまうこともあります。
マウスピースの作り直しが必要になった場合は、むし歯治療完了後に型取りを行い、新たなマウスピースが届くまで、約1ヶ月は矯正治療がストップしてしまいます。そうならないためにも、毎日の歯磨きや、口内ケアを怠らないようにしましょう。
チューイーを使用する
インビザラインのマウスピースは歯が動くように設計されているため、装着したときに「ピッタリ」とフィットする感じではなく、「きつい」といった感覚があります。
そのためしっかりと装着することが難しいケースもあり、適切に装着できるように「チューイー」と呼ばれる装着補助器具を活用することをおすすめいたします。
チューイーは弾力のあるロール状の物体です。マウスピースを装着した時に、チューイーを咬み込むことで、装着しにくいマウスピースもピタリとフィットします。
チューイーはシリコンでできているので、マウスピースや歯を傷つけずに、マウスピースをしっかりと装着できます。装着が甘いと効果を発揮できないので、必ずチューイーを使用してマウスピースを装着することが大切です。
指示を守っていれば変化を感じなくても焦らないでOK
矯正治療は長期的な治療が必要です。なぜならば、歯を支える骨の中で歯が抜けないように少しずつ力をかけて歯を動かしていくため、変化を感じるまで時間がかかるものです。
そのため、矯正治療中は歯科医師から指示を受けたマウスピースの装着時間を守り、装着し忘れることのないように注意が必要です。
また、もし矯正治療中に「変化を感じない」と不安があるようならば、悩むことなく歯科医師に相談しましょう。
まとめ
今回はインビザラインにおける矯正治療中の変化について、詳しくご案内してきました。
矯正治療は長期的な治療期間が必要になり、治療開始から変化を感じるまではある程度、時間が必要になります。そのため、焦ることなく歯科医師の指示を守りながら、治療を進めていきましょう。
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