「なるべく早く歯並びを綺麗にしたい」
「自分の歯並びはどれくらいの治療期間になるの?」
「矯正が早く終わる人とそうでない人の違いは何?」
といった質問をよく耳にします。
同じような歯並びに見えても、早く終わる人、長引く人がいます。それはなぜなのでしょうか。
早く終わる秘訣があれば、誰しもそうしたいと考えると思いますが、早く終わらせるコツなどはあり得るのでしょうか。
今回は「矯正治療が早く終わる人の特徴」について詳しく解説します。皆さんの矯正治療を選択していく上でも
少しでも参考になれば幸いです。
◾️歯列矯正が早く終わる人の特徴
歯列矯正が早く終わる人の特徴として、以下のようなことが挙げられます。
- 噛み合わせに問題がない人
- 不正歯列の程度が軽く歯が並ぶスペースが十分にある人
- 口腔の健康状態が良く矯正中もケアが行き届いている人
- 新陳代謝が活発な人
- 治療計画・歯科医師の指示通りに治療が進められる人
- 子供でまだ骨が柔らかい人
それぞれ詳しく解説します。
⚪︎噛み合わせに問題がない人
噛み合わせに問題がない人は、噛み合わせがずれている人に比べて治療が早く終わります。
なぜなら、歯並びだけを調整する治療で済むため、噛み合わせを考慮して歯を大きく動かす必要がなくなる場合が多いからです。
歯は、並びだけ整っても噛み合わせがずれていると、他の歯に悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、正しい噛み合わせであることは必要不可欠です。
もしも噛み合わせはそのままでよく、前歯だけを動かす治療で済む場合は、早ければ数ヶ月、長くても1年以内には終わる人が多いでしょう。
⚪︎不正歯列の程度が軽く歯が並ぶスペースが十分にある人
歯並びの乱れがそこまで悪くなく、並べられるだけのスペースが十分ある(程度が軽い)人は、全体を動かさなければならない人に比べて動的治療期間が短く済みます。
スペースが不足している人や、凸凹、重なりが強い方は、歯が並ぶだけのスペースを作り出さなくてはなりません。
そのため、顎を広げたり歯を削ってスペース確保をする期間を設けるための時間が必要です。
顎の治療も必要なく、歯を動かす程度も軽ければ、治療期間は短くなるでしょう。
⚪︎口腔の健康状態が良く矯正中もケアが行き届いている人
口腔の健康状態の良さは、矯正治療期間にとても重要です。
治療開始前に虫歯や歯周病がある場合は、それらの治療が済んでからでないと、動的矯正治療は開始できません。
また、口腔の健康状態が良い人は、トラブルも起きず順調に矯正治療が行えますが、口腔環境が悪い人は、まず動的治療開始までに時間がかかり、治療開始後も途中で別の治療が必要になったり、動いた歯がトラブルを起こすことがあれば、それだけ治療期間が伸びてしまいます。
ですから、口腔の健康状態が良く矯正中もケアが行き届いている人は、そうでない人に比べると治療が早く終わるでしょう。
⚪︎新陳代謝が活発な人
歯科矯正治療は「歯周組織の代謝」を利用して歯を動かします。
歯に圧力をかけると、歯の根っこを覆っている歯根膜(しこんまく)に力が伝わります。
動かしたい方向に、骨を溶かす細胞ができ、歯が動かせるようにスペースができます。
また、動いた側のスペースには、顎の骨を作る細胞ができます。
歯周組織の代謝を繰り返し、歯根膜は一定の厚みをキープして歯を守ります。
このような組織の再生が活発に行える健康な人は、歯が動きやすいと考えられています。
⚪︎治療計画・歯科医師の指示通りに治療が進められる人
矯正治療は、毎月少しずつ歯に力を加えて動かす治療で、歯科医師が終了までを見越して治療計画を立案します。
ただしこれは、歯科医師の指示に従った施術や口腔ケア、また計画に沿った定期的な来院(調整や口腔管理)があってこそです。
例えばワイヤー矯正であれば、歯の動きをコントロールするため、装置に自分で矯正用のゴムを掛けるように指示があったり、マウスピース矯正では、決められた時間の装着や、自身でアライナーの交換をしなければならないなど、自己管理が必要になります。
このような指示を守らなかった場合、思ったように歯が動かず、治療が長引く原因になることもあります。
早く治療を終えるためには歯科医師から自宅で行うこととして伝えられることを守って治療期間を過ごすことが重要です。
⚪︎まだ骨が柔らかい子供
大人に比べて、子供は骨の成長過程で骨も柔らかく歯の動きが活発なため、大人よりもスムーズに動きます。
このことから、できるだけ若年層で治療開始されることをおすすめいたします。
また、すでに顎の成長が完了している大人ではできない、成長過程であることや顎の柔らかさを利用した治療を行うことができます。
また、万が一小児矯正をしたにもかかわらず永久歯の動的矯正が必要になった場合でも、「矯正開始時期」を待って動的治療を一から行うよりも早く装置が外れる傾向もあり、トータル的に考えると早く終わらせることにつながります。
◾️治療期間を少しでも短くする方法3選
歯を支えている顎の骨の健康状態や年齢によって個人差はあるものの、矯正治療では、1ヶ月に約0.3㎜〜0.5㎜程度歯を動かすことができます。
強い力がかかるので、あまり早いペースや強い力をかけすぎると、歯の根っこが吸収してしまったり、痛みを伴うなどのダメージを受けやすくなります。
そのため、毎月少しずつしか動かすことができません。
また、症例によっては一度に全体に力を加えることができない場合もあり、目に見えて「歯が揃ってきた」と感じるまでに時間がかかることもあります。
だからこそ、モチベーションを維持しながら、根気よく治療を継続することが大切です。
これらを踏まえた上で、治療期間を少しでも短くできるようにするための方法を3つご紹介します。
⚪︎医師の指示を守る
第一に「医師の指示を守ること」は、治療期間を短くするためには必要不可欠です。
矯正治療は、治療開始から終了までを見据えて治療計画を立案します。
ですから、歯科医師が提案する定期的な調整の間隔や装置の交換時期を守ることが重要になります。
ワイヤー矯正は定期的に力が加わるよう、矯正歯科医師が装置の調整を行いますし、マウスピース矯正は指示された間隔でマウスピースの交換が必要です。
また、定期受診では、虫歯や歯周病がないか、歯磨きは行き届いているか等、歯科医師や歯科衛生士によるチェックや歯磨き指導も行われ、矯正治療期間の口腔内ケアも行われます。
定期的に管理をしてもらうことで、計画通りに進まないなど不測の事態が起こっても早期発見・早期対処が可能となります。
⚪︎口腔内ケアを怠らない
次に大切なのが、治療期間中は口腔内ケアを怠らないことです。
特に矯正治療期間中は、装置が口腔内に入っていることで汚れが残りやすい環境になってしまいます。
虫歯や歯周病を発症すると健康に歯を動かすことができなくなるため、矯正治療期間であっても虫歯や歯周病の治療も行います。
虫歯や歯周病治療で矯正治療を中断することになれば、それだけ終了時期が先延ばしになってしまいます。
特にワイヤー矯正は、装置が歯についたままの状態になるため汚れが装置に残りやすく、日々のブラッシングは重要です。
とはいえ、取り外すことができるマウスピース矯正も安心ではありません。
歯磨きはしやすいのですが、ほぼ1日中歯列全体を覆っているので、清潔な状態で装着していないと、虫歯や歯周病のリスクは上がってしまいます。
口腔内が不衛生では、新陳代謝も悪くなり、歯がスムーズに動かない要因にもなりかねないため、治療期間中は口腔内ケアにもしっかり取り組むことが重要です。
⚪︎技術力がある歯科医院を選ぶ
そして3つ目に、これは治療期間に限らずですが、矯正歯科を選ぶ際は、技術力があるかどうかを十分に確認することをお勧めします。
矯正治療は、一般的な虫歯治療などとは違い、専門性の高い治療です。
歯科医師が歯科医師免許取得後、矯正医を目指すために別途研鑽を積まなければなりません。
とは言え、専門性が高くなくとも、医院で矯正治療を導入することも可能ですので、医院選びは見極めが重要となります。
「治療期間を少しでも短くする=計画通りに治療が進むこと」でもあります。
効率の良い治療計画の立案から、治療中の不測の事態にも柔軟に対応できることなど、矯正治療を計画通りに進めるための高い技術力のある歯科医師から治療を受けられる環境を選ぶことが大切です。
◾️歯列矯正にかかる治療期間の相場
歯列矯正にかかる治療期間は、矯正方法や歯並びの度合い(症状)によって異なりますが、目安としては1〜3年程度です。
以下に、一般的な矯正方法別の治療期間の相場をご紹介します。
⚪︎全体矯正の場合
全体矯正は装置別で以下のような治療期間が相場です。
・表側矯正:1〜3年程度
・裏側矯正:2〜3年程度
・ハーフリンガル矯正:2〜3年程度
・マウスピース矯正:1〜3年程度
奥歯を含めた歯列全体を動かす場合、軽度の場合で1年〜2年、重度の場合で3年ほどが相場です。
装置で言えば、裏側矯正やハーフリンガル矯正の場合、表側矯正やマウスピース矯正よりも動的治療期間が少し長くなる傾向があります。
⚪︎部分矯正の場合
・表側矯正:2ヶ月〜1年程度
・裏側矯正:5ヶ月〜1年程度
・ハーフリンガル矯正:5ヶ月〜1年程度
・マウスピース矯正2ヶ月〜1年程度
部分矯正の治療期間は、動かす範囲によって大きく差があります。
1、2本程度をスペースも十分にあるようなケースであれば2ヶ月程度の短期間で終わることもありますし、奥歯の噛み合わせを動かすほどではないが前歯は全体的に動かす場合やスペース確保のための処置が必要な場合などはトータルで1年程度かかることもあります。
⚪︎矯正方法は歯科医師から最適なプランの提案があります
矯正範囲や使用する装置に関しては、適切な方法や治療期間に関しては、歯並びの状況を診て歯科医師が判断し提案されます。
部分矯正を希望しても、歯並びの状態によっては適応症例でないと診断されることもあるため、まずは矯正歯科で希望の治療方法が適応になるのか確認しましょう。
◾️矯正治療を「早く進めることができる」とされる追加治療
矯正治療の方法の一つとして、基本的な装置による「動的治療」にプラスすることで、早く動かすための補助を行うとされる方法がいくつかあります。
導入医院も多くはないことや、適応症例になるかどうか等は、導入している医院でカウンセリングを受けて確認が必要です。
⚪︎外科的な治療を組み合わせる
一般的な歯列矯正は、矯正装置で歯に適切な圧力をかけ、徐々に歯を正しい位置へ動かしていく方法です。
そこへさらに外科的な治療を組み合わせることで、効率的に歯を動かすことができたり、時間短縮にもつながることがあります。
・インプラント矯正
チタン製の小さなネジ状の「アンカースクリュー」を歯槽骨(顎の骨)に埋める外科手術を行い、そこを支点にして、歯列に力を加える方法です。
従来の動的な歯列矯正だけで行うよりも、効率的に歯を動かすことができることから、治療期間の短縮につながることもあります。
・コルチコトミー法
歯を支える歯槽骨(顎の骨)の表層部分「皮質骨」をあらかじめ傷つけることで、骨の代謝・再生を早めます。
歯の動く範囲を広げることや動く方向の組織の抵抗を減らすことにつながるため、結果治療の進行を早めることにも繋がります。
・ヘミオステオトミー・コルチコトミー法
コルチコトミー法は歯槽骨の表層を傷つけたり一部の除去を行う方法ですが、ヘミオステオトミー・コルチコトミー法は、皮質骨のさらに内部にある海綿骨にヒビを入れて、歯を動きやすくする方法です。
コルチコトミー法よりもさらに歯の動きが見込めるので、矯正を早く終わらせることに繋がります。
・オステオトミー法
歯を支えている歯槽骨に外科手術で切れ目を入れ、歯を顎の骨とともに動かして行う矯正方法です。
ヘミオステオトミー・コルチコトミー法が適応できない場合に用いられ、コルチコトミー法よりも早く歯を動かすことができるとされています。
⚪︎治療期間短縮につながる「装置」を併用する
・セルフライゲーション
従来のワイヤー矯正は、歯面に装着する「ブラケット」をゴムや細いワイヤーで連結ワイヤーと固定します。
これが摩擦を生じさせて歯の移動の妨げになることを解消する形状のブラケットがセルフライゲーションです。
シャッタ構造になっているので、ワイヤーを止める必要がないため、弱い力で歯を効率的に移動させることができます。
そのため、従来のブラケットよりも2割程度早く動かすことができるとされています。
・オルソパルス
歯列に、波長850㎜の近赤外線の光照射を行い、骨代謝を促す装置です。
加速矯正補助装置とも呼ばれ、主にマウスピース矯正の治療を受けている患者に適応されます。
通常、マウスピース矯正は2週間前後で新しいアライナーに交換しながら徐々に歯に力を加えて動かしますが、オルソパルスを併用した場合、5日程度で交換することができることもあります。
○クイック矯正にする
歯列を整える治療ではありませんが、「見た目を良くする」という観点であればセラミック矯正は、動的歯列矯正治療よりも早く審美的に整います。
歯を削ってセラミックの被せ物で前歯のみ修正する方法です。
歯そのものは動かさないため、スピーディーに歯並びを整えることができます。
◾️治療を早めることのリスク
矯正治療は早く終わることに越したことはありませんし、誰しも「早く終わりたい」と思うでしょう。
しかし、治療を早めることにはリスクもあるということを知っていただきたいと思います。
以下に、起こり得るリスクをいくつかご紹介します。
○歯の寿命を縮めてしまう可能性がある
先述しましたように、歯を動かすためには、周辺組織にも負担をかけながら動かします。
移動する側の組織は、押されて一時的な炎症を起こし、それが矯正中に感じる「痛み」の一つとも言われています。
また、元あった場所は失った組織を修復しなければなりません。
歯槽骨周辺の修復が追いつかない、歯根が吸収されてしまうといった不具合を起こすこともあり、歯の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
○外科的処置による負担
外科的処置を行って早める場合、身体への負担がかかることのリスクを考慮しなければなりません。
外科治療は歯茎を切開することになるため、術後歯茎が下がってしまったという事例もあります。
そのようなリスクも加味して、その上で治療をするかどうか検討しましょう。
○治療費が高額になってしまう
追加処置や追加装置を行って治療を早める場合には、治療費が追加され高額になることが多いです。
例えばインプラント矯正の場合、通常の矯正治療の費用にアンカースクリューを埋め込む施術と装置代(1本2万円程度が相場)が追加になります。
○医院が見つかりにくい
治療期間を短縮するための処置は、高度な技術を要するものや、特殊な器械を必要とするものがあるため、必ずしもどの医院でも受けられるわけではありません。
そのため、医院を見つけるのに苦労する可能性もあります。
○後戻りしやすい
早く動かした歯は安定が悪く、元の位置に戻ろうとするので、後戻りしやすい傾向があります。
また、セラミック矯正の場合も、噛み合わせは変わらないためセラミックに負担がかかると、外れたり破損したりで作り替えなどが必要になることもあります。
◾️治療期間が長くなるケース
治療期間が長くなってしまうケースについてもご紹介します。
一般的な矯正治療期間よりも長くなってしまう理由を理解すると、治療方法の選択の際に参考にしていただけると思います。
⚪︎抜歯やIPRが必要な場合
歯並びを正しい位置に整えるために必要なスペースがある場合と、そうでない場合では、スペース不足の方の方が治療期間が長くなります。
奥歯を抜歯したり、歯全体を少しずつ削って、トータルでスペースを確保する「IPR法」が必要になるためです。
⚪︎矯正治療中に虫歯や歯周病が発覚した場合
矯正治療中は装置に汚れが残りやすいことから、虫歯や歯周病を発症するリスクが上がります。
虫歯や歯周病が悪化しないためや、計画通りに歯を動かすためにも、虫歯や歯周病が見つかった場合は、そちらの治療を優先します。
そのため、矯正の動的治療を一時中断することもあり、その分治療期間は長くなってしまいます。
⚪︎計画通りに歯が動かなかった場合
計画通りに歯が動かなかった場合は、治療方針を見直すことが必要になります。
場合によっては、処置や装置を追加しなければならなくなることもあり、治療期間が当初の計画よりも長くなってしまいます。
◾️治療が長引かないよう自身でできること
治療を短くすることは、有益な場合もありますが、無理に早く動かすことのリスクを考えると「計画通りに治療が進むようにする」ということも、早く終わらせることに大切であるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
また、治療がスムーズに進み、長引かないようにするためには「自己管理」もとても重要です。
ライフスタイルによって、治療の進行や結果に大きな影響を与えてしまうことがあるからです。
そこで次に、治療が長引かず計画通りに進むために「自身でできること」をご紹介します。
○食生活への意識
食事管理は、矯正治療期間中必要になります。
例えば、硬い食べ物やベタベタくっつきやすい食べ物は、矯正装置に負担をかけることから、変形や破損の要因になることがあります。
また、片方だけで噛むなど、不適切な食事習慣から、咬合の安定性にも影響してしまうことがあります。
装置の破損や変形を起こせば、その修理や調整に時間がかかりますし、食生活が偏って虫歯や歯周病になってしまえば、追加で治療が必要になるので、矯正治療期間は伸びてしまいます。
バランスの良い食事をすることはもちろんですが、歯や装置への負担が少ない食事をするように心がけましょう。
○口腔内のメインテナンス
矯正治療期間中は、口腔内の適切なメインテナンスを欠かさないことが大切です。
歯磨きはもちろん、矯正装置で磨きにくい部分も丁寧に磨く、補助具のデンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどを併用するなど、細かく歯磨きします。
定期検診毎に動いた歯の状態に合わせて歯磨き法を工夫したり、装置のメンテナンスを受けることも、口腔内を健康で清潔に保つことに繋がます。
○ストレスフリーを心がける
ストレスも歯列矯正に影響を与えてしまうことがあります。
ストレスが溜まりすぎると、歯ぎしりや食いしばりを起こしてしまう人がいます。
過度な力が歯に加わると、矯正治療を計画通りに進める上で支障になることもあります。
とはいえ、24時間矯正装置を付けたままの生活が続くと、制限しなければならないこと、気をつけなければならないことが増え、気づかないうちにストレスに繋がっていることもあるでしょう。
適度にストレス解消やリラクゼーション方法を取り入れ、治療がスムーズに進むようにしていきましょう。
○喫煙習慣のある人は禁煙を
もしも喫煙している方であれば、矯正治療期間中は禁煙することを心がけていただきたいと思います。
喫煙は歯肉の炎症や歯槽骨の減少へ影響すると考えられており、矯正治療は歯茎や顎の骨などの内部組織に負担をかける治療です。
そのため、喫煙が影響し、歯周病の進行を促進してしまったり、動かす歯の安定性を損なう可能性が考えられます。
矯正治療を計画したら、早い段階から禁煙を開始し、口腔内を健康な状態にした上で治療開始していただくことが、治療を順調に進めることに繋がります。
◾️まとめ
矯正治療を早く終える方法はありますが、それが全ての人に当てはまるというわけではないということ、お分かりいただけたでしょうか。
器械や装置を使って、一般的な治療期間よりも早める方法はメリット・デメリットをよく考えて治療を受けていただきたいと思います。
また、早く終わるには「治療が長引く要因」を排除していくことも大切です。
矯正治療が計画通りスムーズに進められるように歯科医師の提案や受診時期をしっかり守り、口腔内を健康で清潔に保つことができるよう、日常生活でできるメインテナンスを継続することが大切です。