歯列矯正で行う「IPR」とは?メリット・デメリットやタイミングについて

  • 2023.09.042024.02.28
歯列矯正で行う「IPR」とは?メリット・デメリットやタイミングについて

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出っ歯やガタガタの歯並びは、歯列に余裕がないと歯を並べることが困難になります。

そのため、抜歯やIPRといった処置を行うことが多いです。患者さんの中には、IPRを初めて知ったという方もいるでしょう。IPRが適切な症例では、抜歯せずに歯列矯正が行える可能性があります。

ここでは、歯列矯正で行うIPRとはどのような処置なのか、メリット・デメリット・削る量やタイミングなどについて紹介します。

歯列矯正で行うIPRとは

IPR’(InterProximal Reduction)とは、直訳すると「隣接面の削減」で、歯の側面を専用のヤスリで削る処置のことです。歯列矯正では、以下の目的で行われます。

  • 歯を並べるすき間の確保
  • 歯の形を整える
  • ブラックトライアングルの解消

歯を並べるすき間の確保

重なり合って生えている歯を並べたり、出っ歯を後ろに引っ込めたりする際は、歯列に空きがなければ動かすことができません。

そのため、歯列矯正ではすき間を確保するために、前から4番目あるいは5番目の小臼歯という歯を抜くことがあります。しかし、健康な歯を抜く必要があるため、できれば抜きたくないと考える方も多いです。

IPRはいくつもの歯の側面をほんの少し削ることによってすき間の確保ができるため、健康な歯を抜かずに歯並びをきれいにすることができます。

歯の形を整える

歯の大きさや口元のバランスが崩れていると見た目や噛み合わせに悪影響を与えることがあります。

そのため、IPRで歯の大きさや形を整えることもあります。ただし、バランスが大きく崩れている場合は、改善が見込めない可能性があります。

ブラックトライアングルの解消

ブラックトライアングルとは、歯と歯の間にできる三角形のすき間のことです。

歯列矯正や加齢などで歯ぐきが下がると、歯の根元にすき間ができてブラックトライアングルが生じてしまいます。IPRを行うと歯と歯のすき間が閉じて解消される可能性があります。

IPRはエナメル質をどのくらい削る?

「歯を削ると歯が弱くなってしまうのでは?」と心配される方もいますが、IPRで削るのは歯の表面の「エナメル質」の部分です。

エナメル質の厚みは平均2~3mmあると言われており、専用のヤスリを用いて約0.1mm~0.5mm削ります。削る量としては非常に少ないため、歯の健康に悪影響を与えることはありません。

IPRと抜歯でつくられるすき間の違い

抜歯を必要とする場合、小臼歯(前歯4番目あるいは5番目の歯)を抜きます。

確保できるすき間は約7mmで、左右合わせると約14mmになります。一方IPRは、歯列の全体のすき間を約0.5mm削った場合、確保できるすき間は約6.5mmです。

軽度のガタガタの歯並びや出っ歯は、歯を並べるすき間が不足していることがありますが、抜歯では確保できるすき間が大きすぎることがあります。

小臼歯1本分のすき間が確保できるIPRは、症例により適切な処置を行えるのです。

歯列矯正でIPRを行うメリット

IPRのメリットは、以下の通りです。

  • 歯を抜かずに歯並びが整えられる
  • 歯の形や大きさのバランスが整えられる
  • 後戻りのリスクを軽減できる

歯を抜かずに歯並びが整えられる

IPRが適切な症例では、抜歯せずに歯並びを整えられます。健康な歯を抜くことに対して不安がある方や、抵抗がある方でも安心して歯列矯正が受けられます。

抜歯矯正で後悔する?デメリット・メリットを詳しく解説します!

歯の形や大きさのバランスが整えられる

IPRは計算され尽くした治療計画のもとで行われる処置です。もちろん歯の形や大きさも考慮しており、バランスの整った歯並びになります。

後戻りのリスクを軽減できる

IPRを行い歯並びを整えた歯は、隣接する面同士でしっかり支え合うことができます。そのため、矯正後のもとの歯並びに戻ろうとする「後戻り」のリスクを軽減できます。

歯列矯正後に後戻りする確率は?後戻りしないためにするべきこと

歯列矯正でIPRを行うデメリット

IPRのデメリットは、以下の通りです。

  • 健康な歯を削る必要がある
  • 処置後は出血を伴うことがある

健康な歯を削る必要がある

IPRは、健康な歯を削らなければなりません。一度削った歯は元に戻らないため、抵抗を感じる方もいるでしょう。

しかし、IPRを行なったからといって、虫歯になりやすくなったり、歯の寿命が短くなったりすることはありません。

処置後は出血を伴うことがある

歯ぐきの近いところまで削るので、処置後は歯ぐきに炎症を起こしたり出血を伴なったりすることがあります。ただし、ほとんどの場合数時間~2日程度でおさまります。


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IPRは痛みや知覚過敏がおきる?

IPRは基本的に麻酔をせず処置することが多いです。なぜなら、エナメル質には神経がなく、痛みを感じないからです。また、知覚過敏がおきたり、虫歯になったりする心配もありません

そもそも知覚過敏とは、エナメル質の内部にある「象牙質(ぞうげしつ)」が露出することで、冷たいものがしみるといった症状が引き起こされます。

IPRは、エナメル質の表面をほんの少し削るだけなので、痛みを伴ったり、知覚過敏を引き起こしたりすることはありません。

ただし、ヤスリをかける際の圧力によって多少の不快さを感じたり、摩擦熱によって処置中にしみたりすることがあります。

IPRを行うタイミング

IPRを行うタイミングは、「始めに行うケース」「矯正中に行うケース」「最後に行うケース」の3つのパターンがあります。タイミングは歯並びによって異なり、担当する歯科医師の判断で行われます。

特に、インビザラインといったマウスピース矯正では、治療計画のシミュレーションでどの歯にどれくらい削る必要があるかが事前にわかります。

まとめ

IPRは歯の側面をヤスリで削る処置のことです。歯を並べたり、歯の形を整えてバランスを整えたり、歯と歯のすき間を閉じる目的で行われることもあります。

IPRはエナメル質をほんの少し削る程度なので、歯の健康に悪影響を与えることはありません。マウスピース矯正に限らずワイヤー矯正でも必要に応じ行うことで、矯正効果を高めることができます。

不安や疑問がある方は、処置前に歯科医師としっかり話し合い、納得したうえで歯列矯正を進めていきましょう。

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