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「少しでも早く歯並びを良くしたい」
「できるだけ安く、気になるところだけ矯正治療したい」
デンタルジュへ歯科矯正のご相談をいただく中で、このようなご希望をいただくことがあります。中には、セラミックを調べる中で『セラミック矯正は後悔することになるのでやめておいた方がいい』という意見を耳にしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
デンタルジュでは基本的に「セラミック矯正」をお勧めしておりません。
セラミック矯正は歯を動かすのではなく、歯並びの気になる部分をセラミックで修復し、審美性の高い歯列を作ります。矯正歯科よりも早くて費用も安いことから、人気の治療方法ではありますが、一方でデメリットも目立つ治療方法です。「早い・安い」に囚われて治療してしまうと、治療の失敗ややり直しをすることになり、後悔することになってしまうかもしれません。
そこで今回は、セラミック矯正で後悔することになる理由を解説します。失敗例やデメリットなどを十分理解した上で選択していただき、後悔することのない治療を受けるためのヒントにしていただければと思います。
セラミック矯正とは
セラミック矯正は、歯並びや噛み合わせを整えるために、歯の表面を削ってセラミック製のクラウン（被せ物）を装着する治療方法です。
これは、通常のワイヤーやマウスピースによる動的矯正治療とは異なり、歯そのものを動かすのではなく、セラミッククラウンを装着することで見た目を整える方法です。以下に、セラミック矯正の特徴をいくつかご紹介します。
セラミック矯正の特徴
①即効性
短時間で見た目を改善できるため、急いで歯並びの見た目を整えたい方には、特に有効的な方法です。
②見た目が自然
セラミッククラウンは天然歯に近いツヤ感や色合いを再現できるため、自然な仕上がりが期待できます。
③歯の切削
治療でセラミッククラウンを被せるために、健康な歯であっても歯質を削る必要性があります。
④恒久性
一度セラミックを装着してしまうと、定期的なメンテナンスが必要になります。将来的には交換も必要になることがあります。
⑤費用
被せ物として考えるとクラウンの中では高額（保険適応外の歯科修復物）ですが、歯科矯正と比べると安価です。
上記のような特徴を元に考えると、セラミック矯正にはメリット・デメリットがあることがお分かりいただけると思いますが、メリットを感じる方にとっては「なぜ後悔することになるの？」という疑問を持たれることと思います。
次の項で、セラミック矯正で後悔する理由について詳しく解説します。
セラミック矯正で後悔する理由
セラミック矯正を行って「後悔した」と言われるケースを8つご紹介します。デンタルジュへ再治療のご相談の中でもよく耳にする内容もありますので、ぜひ参考にされてください。
健康な歯を削ることになる
セラミック矯正では、クラウンを装着するために、健康な歯質を削る必要があります。
一度削った部分が元に戻ることはないため、将来的に天然歯を損失するリスクは伴うことになります。そのため、歯を削ることに抵抗がある方や、天然歯を損失することになった場合に後悔することも考えられます。
治療費が高額と感じることがある
セラミッククラウンは高価な歯科材料であり、施術も高度な技術を要することから、修復治療の中では費用が高額になります。思ったよりも費用面の負担が大きく後悔する人もいるでしょう。
メンテナンスと交換の必要性
セラミッククラウンは永続的なものではありません。経年劣化や顎の骨、歯茎などの衰えから不適合になった場合に交換が必要になることもあります。これに伴う追加費用や通院の手間を考えると、長期的な維持管理が煩雑で後悔することがあります。
違和感や不快感を感じることがある
セラミッククラウンは人工物なので、装着後に違和感や不快感を感じることがあります。
特に噛み合わせた時に当たるなどの違和感は、食事や日常生活に支障をきたす原因にもなります。このような違和感や不快感が続くと、治療したことを後悔する原因となってしまいます。
セラミック破損のリスク
動的歯科矯正とは違って歯を動かさないため、噛み合わせは治療前と同じです。
そのため、噛み合わせが合っていないまま噛んでいると、クラウンに過度の負担がかかり、割れたり欠けたりするリスクがあります。その度に修理ややりかえが必要になれば、治療を後悔することにもなりかねません。
神経を抜くことがある
天然歯は、内部に歯髄（しずい）があります。いわゆる「神経」と呼ばれるものです。セラミックを被せるために歯質を削るため、神経を守る歯質が少なくなれば神経にダメージを与えることになる可能性もあります。炎症を起こしてしまうと神経を抜かなくてはならなくなってしまうこともあります
また、本来生えている方向を変えるほど大きく削る場合には、必然的に神経を抜かないと施術できないこともあります。健康な歯の寿命を縮めてしまうことになるかもしれないことから、後悔する原因になります。
抜歯に至る恐れがある
セラミック矯正は先にも解説したように、噛み合わせは変わらないことから、治療後にセラミックが当たって余計に噛み合わせが悪くなってしまう可能性があることが考えられます。
本来の位置で噛めていないと、歯に過度な負荷がかかり続け、結果として歯の根っこが割れてしまい、抜歯せざるを得なくなることもあります。
見た目がなじまない
セラミックは、人工的な修復物の中では比較的、天然歯に近い色ツヤを再現できるとされている素材ですが、それでも完全に天然歯と同じにはできません。天然歯の色によっては「なじんでいない」と感じる方もいるかもしれません。
また、仕上がった時にはなじんでいても、経年とともに歯茎が痩せて、セラミックと歯茎との境目が目立つようになったりすることもあります。
これらの理由から、、セラミックを選択する際には貴重な検討が必要と言えます。他の矯正方法との比較も行って、ご自身に最適な治療方法を選択しましょう。
セラミック矯正で謳われるメリット
セラミック矯正には、以下のようなメリットが謳われています。メリットとして考えられることは「セラミック」の性能の良さからくるものもありますので、歯列矯正としてメリットと言えるかどうかは、こちらを参考に十分ご検討いただければと思います。
①治療期間が短い
セラミック矯正は歯を削って「セラミッククラウン」を装着して歯並びの凹凸を調整するため、従来の根っこから歯を動かす歯科矯正治療を比較して、短期間で歯並びを改善することができます。早く歯並びを整えることが第一優先の方には向いているかもしれません。
②歯列矯正より治療費が安い
セラミックは修復治療の中では高額な素材ではありますが、歯科矯正と比較すると治療費は低くなります。どうしても歯科矯正の費用捻出が難しい場合には、費用を抑えて治療することができます。
③アレルギーの心配がない
オールセラミックの被せ物は生体親和性が高くアレルギーを起こしにくい素材です。金属アレルギーのある方はワイヤー矯正が適応できないことが多いため、その他アレルギー対応の矯正方法の選択が難しい場合にセラミック矯正であれば対応できます。
④歯の形状や大きさも調整可能
セラミッククラウンは歯の形状や大きさも自由に調整できます。そのため、凹凸部を調整するとともに、若干の歯の形状調整は好みに合わせて行うことができます。歯のサイズや形が原因で見た目が気になっていた場合には効果的です。
セラミック矯正後の虫歯や歯周病
セラミック矯正は、審美的にはとても美しく仕上がります。しかし治療後に虫歯や歯周病などのリスクが高くなることも考慮しなければなりません。以下にセラミック矯正後の虫歯や歯周病について解説します。
①虫歯のリスク
セラミッククラウンと歯茎との間は、天然歯に比べてどうしても継ぎ目ができてしまいます。その部分に歯垢（プラーク）が溜まりやすく、虫歯の原因になることがあります。
②歯周病のリスク
歯周病は歯茎の炎症を引き起こす病気です。先ほどの虫歯同様、歯垢が蓄積すると歯周病になってしまう可能性もあります。
③歯の健康リスク
セラミック矯正のためには健康な歯質を削る必要があります。歯質が薄くなった分、虫歯や歯周病になってしまうと、歯や神経はダメージを受けやすくなります。そのため、健康な歯よりも虫歯や歯周病で歯を失うリスクも高くなってしまいます。
また、虫歯や歯周病が原因でクラウンが外れたり、破損した場合には、再治療になることもあります。
適切なケアと予防策が重要
虫歯や歯周病を予防するためには、適切なケアと予防策が重要です。日々の歯磨きを丁寧に行うことも大切ですし、歯磨きに加えて、定期的に歯科クリニックで歯科医師による歯周病チェックや、クリーニングなどを受けることをお勧めします。
セラミック矯正は根本的な歯並び改善にはならない
セラミック矯正は、短期間で歯の見た目を美しく整えることができるため、人気のある治療法です。しかし、根本的な歯並びの改善にはならないという点で注意が必要です。以下に、その理由と具体的なポイントをまとめました。
歯の位置を動かすわけではない
セラミック矯正は、歯の表面を削ってセラミッククラウンを被せることで見た目を整えます。これは、歯の位置を実際に動かすわけではないため、根本的な歯並びの改善にはなりません。歯の位置が変わらないため、噛み合わせの問題が解決されないことがあります。
噛み合わせの問題が残る
噛み合わせの問題は、単に見た目の問題だけではなく、長期的には顎関節症や歯の磨耗などの健康問題に繋がる可能性があります。セラミック矯正では、歯の位置を動かさないため、噛み合わせの調整が難しく、これらの問題が解決されないまま残ることがあります。
もしくは、セラミックが当たって噛み合わせが高くなると余計に噛み合わなくなることから、セラミック破損してしまうことも考えられます。
矯正治療の選択肢としての限界
セラミック矯正は見た目を短期間で改善することが目的であり、根本的な治療を求める場合には限界があります。例えば、顎の位置や骨格の問題など、根本的な矯正治療が必要な場合には適していません。
まとめ
セラミック矯正は、美しい笑顔を短期間で手に入れるための効果的な方法ですが、根本的な歯並びや噛み合わせの改善を目指す場合には適していません。
長期的な健康や機能面を考慮するならば、ワイヤー矯正やインビザラインなどの根本的な矯正治療が推奨されます。
治療を選択する際には、見た目だけでなく、将来的な健康リスクやコストも考慮して慎重に判断することが重要です。