「インプラントがあって、インビザラインができるか不安・疑問がある」
「インプラントを入れる前に、インプラントがあるの場合のインビザライン治療の具体的な手順やプロセスについて詳しく知っておきたい!」
といった人は多いかと思います。
インプラントがあると通常とは異なっていろいろ不都合があるのか不安ですよね。
本記事では、これまで2000件以上の歯科相談にのってきたデンタルジュが、インプラントがある場合のインビザラインの治療について詳しく解説していきます。
本記事を読むと、インプラントがある場合にインビザライン治療のどのような点に気を付ければよいかが理解できるでしょう。
本記事には、「インプラントがある方がインビザライン治療に臨むにあたって気を付けるべきこと」を詰め込んでいます。
ぜひ参考にしてみてください!
インプラントとは?
インプラント治療は、失った歯を補うために顎骨に人工的な歯を埋め込む治療法です。
主に事故や虫歯などで歯を失った方や先天的に歯がない方向けの治療となっています。
ただし、この治療法は、手術をおこなうので体の状態が悪かったり、顎が丈夫でなかったりする場合は受けられないです。
他にも失った歯の代わりのものを作成する治療法としてはブリッジや入れ歯といった方法があるので検討してみてください。
インプラント治療ではインプラント体(人工歯根)に人工歯を固定し、まるで本物の歯のように機能させます。
インプラント体とは骨の中に埋める部分を指し、歯根の役割を果たします。
インプラント治療の最大のメリットは、義歯をしっかり固定し、動く恐れがないことが挙げられます。
これにより、自分の歯のように噛むことができ、外れる恐れが少なく、異物感も感じずに話せるようになります。
さらに、セラミックやジルコニアなどの材料を使用することで、天然の歯と見分けがつかない美しい見た目となっています。
一方で、主なデメリットとしては高額な治療費が挙げられます。
インプラント治療は原則として保険適用外であり、全額自己負担になることが多いです。
しかし、外傷や腫瘍であごの骨を失った場合など、特定の条件下では健康保険の適用が受けられる場合もあります。
インプラントの治療期間は一般に4〜6ヶ月程度とされ、手術後には定期的なメンテナンスが必要です。
治療費は、使用するインプラントの種類や口腔内の状態によって異なり、一般的には30〜60万円かかるとされています。
インプラント体の材料
インプラント体の主な材料としては、チタンが広く使用されています。
チタンは体との親和性が高いため、インプラント体と骨は結合することができます。
さらに、金属アレルギーも起こりにくいので安心です。
インプラントは一見メリットが多いように見えますが、リスクもあるので注意しましょう。
例えば「治療期間が長い」、「歯が長く見える」、「手術の必要がある」、「メンテナンスが定期的に必要」、「感染症のリスクがある」、「麻痺の可能性」といったことが挙げられます。
しっかりとリスクを把握したうえで、よく担当の医師と相談してから治療に進みましょう。
インビザラインとは?
インビザラインは、透明で取り外し可能なマウスピースを用いた矯正方法です。
この治療では、「アライナー」と呼ばれるマウスピースを段階的に交換していくことで、歯を徐々に移動させます。
特に、「クリンチェック」という3次元シミュレーションソフトを使用し、治療計画を細かく立てられる点が特徴的です。
インビザラインの特徴
知名度が高い: 国内外で広く認知され、信頼されています。
マウスピース矯正の中ではトップのシェアと知名度を誇ります。
そのため、取り扱っている医院も多いです。
オーダーメイド: 患者一人ひとりの歯に合わせて作製されるカスタムメイドのマウスピースを使用します。
金属アレルギーにも対応: 金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
3Dシミュレーション: 治療計画を綿密に立てられ、比較的確実に治療がすすめられます。
対応可能な症例
インビザラインは、出っ歯や八重歯、凸凹の歯並び、すきっ歯など、多岐にわたる症例に対応可能です。
症例に応じて必要なマウスピースの枚数が異なり、それに応じて様々なプランが用意されています。
しかし、歯並びの凸凹が重度である場合や深い噛み合わせの問題など、一部対応が難しいケースもあります。
費用と治療期間
インビザラインの費用は部分矯正で30〜60万円、全体矯正で80〜100万円であることが多いですが、クリニックによって異なります。
複雑な症例の場合にはもっと費用がかさむ場合があります。
一般的に、インビザラインの治療期間は、部分矯正か全体矯正かによって期間が異なります。部分矯正は3か月〜1年といった比較的短期間で完了し、全体矯正には1年〜3年程度というようにより長い期間が必要です。
メリット
インビザラインの最大のメリットは、矯正中であっても目立ちにくく、日常生活における制約が少ないことです。
また、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外せるため、口内衛生を保ちやすく、少しずつ歯を動かすので矯正器具による不快感や痛みも少ないです。
インプラントがあってもインビザラインができることも
ここからはインプラントを埋め込んでいる場合にインビザラインで矯正治療に臨むことができるのかどうか紹介していきます。
インプラントは動かせない
まず前提としてインプラントは顎の骨に直接埋め込まれているため、動かすことはできません。
そもそも、歯が動くメカニズムというのは、歯根膜という組織の代謝を利用しています。
ですが、インプラントでは歯根膜がないので、歯を動かすことはできないのです。
ただし一方で、インプラントがあってもインビザラインで治療ができるケースは存在します。
インプラントを支点に歯を動かせる
インプラントが動かせないというのは必ずしもデメリットばかりではありません。
インプラントがある場合の矯正治療ではインプラントが動かないことを利用し、インプラントを支点として他の歯を効率的に動かすことが可能です。
これにより、矯正治療の期間を短縮し、患者の負担を軽減できるケースがあります。
メリットとデメリット
インプラントがある場合のインビザライン治療のメリットは先述の通り、固定源(支点)として利用できることにより、矯正治療を効率良く進められる点です。
しかし、デメリットとしては、インプラント部分は動かせないため、治療計画を慎重に立てる必要があります。
また、矯正治療後にインプラントの被せ物を作り直す必要が出てくる場合もあります。
メリット・デメリットを理解し、インプラントがある場合にインビザライン矯正を選択するかの参考にしてください。
できない場合
インプラントがある場合はない場合と比較して、矯正治療ができない場合が多いです。
以下では特に2つ、インビザラインでの矯正治療が行えない場合を紹介します。
インプラントが多すぎる
インビザライン矯正治療において、インプラントが多すぎる場合は特に注意が必要です。
インプラントは歯槽骨に直接埋め込まれているため動かすことができず、インプラントの本数が多いと、動かせる歯が少なくなり、矯正治療の計画自体が複雑になる可能性があります。
インプラントが多ければ多いほど、矯正治療の選択肢が限定されることが多く、特に全体的な歯列矯正を行いたい場合に計画が難しくなるといえるでしょう。
インプラントの場所が悪い
インプラントの位置が矯正治療に影響を与えるケースもあります。
例えば、前歯を全体的に引っこめたい場合、その位置にインプラントがあると、インプラントが動かせないために治療が難しいケースがあります。
インプラントの被せ物の部分のみの位置を多少調整することはできますが、インプラント体の角度や位置を修正することはできません。
インプラントの位置によっては、インビザライン矯正では対応できなくなることもあるため、矯正治療を考える際は、インプラントの位置を考慮に入れることが重要です。
これらの制約を考慮した上で、インビザライン治療を行うかどうかを決定する際には、矯正歯科の専門医との十分な相談が必要です。
インプラントが多い場合や、インプラントの位置が矯正治療に不利な場合でも、患者一人ひとりの状況に応じた最適な治療計画を立てることが可能な場合があります。
そのため、治療前のカウンセリングで、これらの点を詳しく医師に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
基本的にはインビザラインを先にやる
インビザラインでの矯正治療とインプラント治療の両方を検討している方にとって、どの治療を先に行うべきかは重要です。
一般的な指針としては、インビザライン矯正はインプラント治療よりも先に行うべきとされています。
これは、インビザライン矯正を先に行うことで、シミュレーションで、予め最終的な歯並びや噛み合わせの状態を確認した上で、インプラント治療に必要なスペースを正確に確保できるためです。
同時に行えないの?
インプラントとインビザライン矯正を同時に行うことは、原則としてできません。
インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋め込む手術を伴い、一定期間の骨とインプラント体の結合を待つ必要があります。
一方、インビザライン矯正は、歯や歯槽骨に対して微妙な力を加え続けます。
これらの治療を同時に進めると、互いの治療効果に影響を及ぼす可能性があるため、通常はインビザライン矯正を先に行い、その後にインプラント治療を行う順序が推奨されています。
さらに痛みなどの患者にとっての負担も大きくなってしまいます。
ただし、もし、インビザラインの治療とインプラントをどちらもおこないたいときは一度担当の医師に相談してみることをお勧めします。
ごくまれに同時におこなえることもありますし、それ以上にインプラントを前提とした治療計画を立てることができるので治療全体をスムーズに行うことができるようになります。
アンカースクリューとは?
アンカースクリューは、矯正治療において使用される小さなチタン製の固定源です。
先述の通り、インプラントは歯科矯正の際に固定源として利用することがありますが、このアンカースクリューというものとは別物なので区別が必要です。
アンカースクリューは、あくまで矯正治療中に歯を所定の方向に引っ張るためのアンカー(固定点)として一時的に使用され、治療終了後には除去されます。
まとめ
本記事では、インビザラインについてインプラントがある場合の具体的な手順やプロセス、注意点を詳しく紹介してきました。
基本的にはインビザラインでの矯正治療を先に行い、その後インプラントを必要に応じて埋めるようにするとよいでしょう。
もし、すでにインプラントがある場合には様々な注意点があるので気を付けながら治療を進めていきましょう。
その際には、事前に適切な知識を持つ専門家と相談したうえで医院選定をおこなっておくとよいでしょう。
専門的な診断と治療を受けることで適切な治療法を選択し、健康な歯並びと噛み合わせを実現しましょう!
もし、歯科矯正についてもっと知りたい・相談したいという場合はぜひデンタルジュに相談してみてください!