矯正治療に興味がある方なら、部分矯正というものを耳にしたことがあると思います。本記事ではそのような方向けに実際に部分矯正がどのようなものなのか紹介していきます。
本記事の要点
・部分矯正の特徴、全体矯正との違いについて
・部分矯正のメリットとデメリット
・矯正装置ごとの部分矯正の値段や特徴など
・デンタルローンについて
・部分矯正の流れ
・部分矯正を成功させるために注意したいこと
・カウンセリングについて、医院選びのコツ
・ホワイトニングについて
本記事では以上のような内容を紹介し、部分矯正について網羅的に説明していきます。
- 1.
- 1.1. 部分矯正の値段の相場は?
- 1.2. 部分矯正の期間は?
- 1.3. 矯正の値段を高く感じる理由
- 1.4. 負担軽減のためにデンタルローンを利用することも!
- 1.5. 部分矯正のデメリット
- 1.6. 部分矯正の治療の流れ
- 1.7. 部分矯正を成功させるためには
- 1.8. カウンセリングでの質問リスト
- 1.9. 値段以外の選択基準
- 1.10. 歯科矯正中のホワイトニングはできるのか
- 1.11. Q&A
- 1.12. まとめ
部分矯正とは?
部分矯正とは歯科矯正のなかでも一部分のみ(特に前歯)に矯正装置を取り付けて行うものを指します。
全体矯正と異なり、歯の一部分にのみ装置をつけるため値段が抑えられたり、負担感も少なかったりという特徴があります。
期間に関しても全体矯正より短い傾向があります。
歯科医院によっては歯の本数ごとに料金が発生したり、ある程度のまとまった本数で値段を変えたりすることがあり、様々なので注意しましょう。
部分矯正と全体矯正の違い
部分矯正と全体矯正の違いは簡単にいうと値段、期間、適応可能な症例の3点が挙げられます。
値段に関しては、部分矯正の方が全体矯正より数十万円単位で安くなります。
また、治療期間に関しても全体矯正の半分やそれ以上に短い期間で終わることが多いです。
一方、全体矯正の方は、部分矯正と比較して、幅広い症例に対応可能であるというメリットがあります。
部分矯正の基礎知識
部分矯正についてまずは基礎的な注意事項から紹介します。
まず、前提として、部分矯正も全体矯正と同様に矯正装置によって期間、値段は変わってくるという点があります。
細かい矯正装置ごとの違いは詳しく後述していきます。
また、適応可能な症例については、基本的に、ごく軽度の症例向きであるという点を抑えていてください。
そのため、後述するメリットのために、不適切な症例に部分矯正を適用するとかえって治療の失敗を招くという点に注意しましょう。
部分矯正のメリット
部分矯正のメリットは何といっても全体矯正と比べた期間の短さ、値段のお手軽さでしょう。
そのため、全体矯正より気軽に取り組むことができるというのが最大のメリットといえます。
大体の目安としては期間は半年〜一年程度、値段に関しては格安マウスピースも含めると10万円〜70万円くらいのイメージです。
のちに詳しく装置別の特徴を説明しますので、そちらで具体的なイメージをしてみてください。
部分矯正が適している症例
部分矯正はメリットが目立ちますが、適した症例はかなり限られています。部分矯正で治せる歯並びは基本的に軽度かつ前歯における不正な歯並びとなります。
具体的には、「軽度の叢生」、「軽度の出っ歯」、「すきっ歯」、「正中のずれ」、「後戻り」といったものになります。
逆に、噛み合わせから直さなくてはいけなかったり、重度の叢生、出っ歯、前歯以外の不正な歯並びであったりは部分矯正では対応不可能な症例となります。
部分矯正の値段の相場は?
部分矯正の値段の相場は先述した通り、大体10万円〜70万円くらいのイメージです。ただし、格安マウスピースであったり、ワイヤー矯正であったりで様々に料金は異なってきます。
部分矯正の方法別の値段の違い
部分矯正の値段の相場は全体矯正と比較すると安くなっています。
また、装置別の値段の高い・安いはおおむね全体矯正と対応しています。
ここでは装置別の値段の違いや特徴を紹介していきます。
表側ワイヤー部分矯正の値段
表側ワイヤー矯正は矯正治療の中で最も一般的でかつ、最も歴史と実績のある治療方法になります。
そのため、対応可能な症例も多く、取り扱っている矯正歯科もとても多いです。
表側矯正では、ブラケットという装置を歯の表面に取り付け、そこにワイヤーを通し、ワイヤーの引っ張る力を利用して歯を動かしていきます。
表側ワイヤー部分矯正のメリット
メリットとしては、ワイヤー矯正の中では値段が安く、先述した通り、取り扱っている医院と対応可能な症例が多いことです。
表側ワイヤー部分矯正のデメリット
一方デメリットとしては、歯の表側に矯正装置を取り付けるため、会話や食事の際などに装置が目立ってしまうことです。そのため、見た目が気になる方は注意が必要です。
表側ワイヤー部分矯正の費用相場
表側ワイヤー部分矯正の値段は大体30万円〜60万円となっています。また、期間は大体一年程度となります。
裏側ワイヤー部分矯正の値段
裏側ワイヤー矯正は文字通り、ブラケットを歯の裏側に取り付けておこなう矯正になります。
裏側ワイヤー部分矯正のメリット
裏側矯正のメリットとしては、歯の裏側に装置を取り付けるため、外からほとんど見えず、目立たないという点があります。
また、歯の裏側の方が表面のエナメル質が厚く、歯が傷つきにくいです。
さらに表側の歯磨きがしやすいことに加え、歯の裏側は唾液が循環しており、自然と汚れや雑菌は落とされるため、総合的な虫歯・歯周病のリスクは小さくなっています。
裏側ワイヤー部分矯正のデメリット
一方で、デメリットは矯正装置の取り付けに高い技術力が要求されることです。
そのため、取り扱っている医院が少なかったり、装置の値段が高額であったりします。
また、取り付けた後も装置が外れやすいです。
さらに、舌に装置が当たって発音がしにくかったり、口内炎の原因となったりします。
裏側ワイヤー部分矯正の費用相場
裏側ワイヤー部分矯正の値段は、大体40万円〜70万円となります。場合によりますが、治療期間は大体一年ほどになります。
マウスピース部分矯正の値段
マウスピース矯正は動かしたい歯並びに合わせて透明のマウスピースを作成し、歯を動かしていく矯正です。
歯並びが理想的に動かない場合もあるので、その際はリファインメントといって、追加のマウスピースの製作をし、歯の動きを修正します。
そのため、全ての矯正装置に共通する話ではありますが、定期的な通院により経過を観察することが大切です。
マウスピース部分矯正のメリット
マウスピース矯正のメリットとしては、まず取り外しが可能な点が挙げられます。そのため、食事や歯磨きを違和感なく行うことができます。
また、透明なプラスチックの素材を使うので目立ちにくく、さらに痛みも少ないです。
マウスピース部分矯正のデメリット
デメリットとしては、現在はほとんどの症例に対応できるものの、なかには適用できないケースがあることです。
取り外し可能である反面、取り付け忘れたりサボったりしてしまう可能性があり、その際に治療が失敗しやすいです。
マウスピース部分矯正の費用相場
マウスピース矯正で部分矯正をおこなう場合、費用は大体20万円〜60万円となります。
マウスピースを作るメーカーや医院によって異なるので比較検討してみることもおすすめします。期間としては大体半年から1年ほどとなります。
こちらも参考に!
マウスピースメーカーの比較!
マウスピースは様々なメーカーが製作しており、その比較をしていきます。
ちなみに以下のマウスピースメーカーの値段や期間については、部分矯正か全体矯正かで区別していません。
そのため、部分矯正についてのみ知りたい方は別途メーカーごとのホームページを参照してください。
〇hanaravi
hanaraviは初回の無料相談・検査の段階ではクリニックに行く必要がありますが、あとはマウスピースが自宅に送られてくるため、通院回数が最低限となることが大きな特徴です。
値段・期間は症状の度合いによって決まっており、症状の軽いものから重いものにかけて、値段は大体33万円〜66万円、期間は5か月〜18か月と変わってきます。
〇インビザライン
インビザラインは様々なプランがあり、様々な症例に対応できるというのが特徴です。
また、付けた時の違和感が小さいのも特徴です。さらに、国内シェアナンバー1となっています。
ちなみに、世界でもシェア、治療実績ともにナンバー1です。インビザラインはプランに応じて値段や期間が異なるので、気になる方は以下の記事を参考にしてみてください!
〇キレイライン
キレイラインは値段がお手軽であるというのが特徴です。粗利を徹底的に削りリーズナブルな価格にしています。
値段は大体16万円〜42万円です。矯正期間は大体4か月〜12か月であることが多いです。
〇アソアライナー
アソアライナーは国内のメーカーで、3種類のマウスピースをソフト→ミディアム→ハードの順で装着して矯正治療を進めていきます。
値段は大体10万円〜40万円、期間は4か月〜18か月ということが多いようです。
〇クリアコレクト
クリアコレクトはインビザラインに次いで治療実績があり、幅広い症例に対応可能なのが特徴です。
プランは6つあり、自分に合ったものを選択することができます。
安いプランから高いプランにかけて、期間は3週間〜、6か月以内、一年以内、二年以内、三年以内、五年以内と設定されており幅広いです。
値段は大体、部分矯正は15万円〜40万円、全体矯正は50万円〜70万円ほどとなっています。
〇oh my teeth
oh my teethは気になる部分を手軽に治せるというのが特徴です。
プランは2種類でシンプルです。
値段は部分矯正が33万円、全体矯正が66万円に一律に設定されています。期間は大体部分矯正なら3か月ほど、全体矯正なら6か月ほどとなっています。
〇スマイルトゥルー
スマイルトゥルーは日本では前から5番目までの歯の移動に特化しています。
値段がリーズナブルで期間も短いのが特徴です。値段は大体20万円〜60万円、期間は大体3か月〜8か月であることが多いようです。
〇DPEARL
DPEARLは軽度からやや難易度の高い症例に対応しており、オフラインでの定期的なサポート体制があるのが特徴です。
値段は4つのプランがあり、SHORTは値段が308,000円ほど、期間が2〜4か月ほど、STANDARDは値段が429,000円ほど、期間が4〜6か月ほど、LONGは値段が554,400円ほど期間が6〜8か月ほど、HYBRIDは値段が693,000円ほど期間が8〜10か月ほどとなっています。
プランは症状の度合いによって決まります。
〇ローコスト
ローコストは金利手数料無料のローコストPayという支払い方法が特徴的です。
値段や期間はプランに応じて異なります。
ライトプランの値段は30万円からで期間は3.5か月ほど、スタンダードプランの値段は45万円からで期間は10か月ほど、プロプランの値段は55万円からで、期間は1年となっています。
マウスピースメーカーはここに挙げた以外にも多数あるので気になる方はそちらも見て、比較してみるとよいでしょう。
また、値段が安いからと言って良いとは限らず、対応可能な症例が少なかったり、サポート体制が充実していなかったりということも考えられます。
さらに、通院しなくてよいということは逆に言えば自己管理をしっかりしなくてはいけなかったり、トラブルの発見が遅れる可能性があったりするなどリスクがあると言えます。
そういった場合は、治療の失敗へとつながり、再治療が必要になる可能性もあるので注意してください。
そういったリスクを避けるためにしっかりとプロに相談して決めることをお勧めします。
ハーフリンガル部分矯正の値段
ハーフリンガル矯正は、ワイヤー矯正の一種で、上の歯に裏側矯正、下の歯に表側矯正をおこなう方法です。
メリットとしては、外から見えやすい上の歯に裏側矯正をすることで審美性を担保し、下の歯は表側矯正にすることで、上下を裏側矯正にするより値段が抑えられるというものが挙げられます。
デメリットとしては上下を裏側矯正にするよりも装置が外から見えやすく、表側矯正よりは値段が高くなってしまう点が挙げられます。
要するに、ハーフリンガル矯正は表側矯正と裏側矯正の中間に位置するようなイメージです。
ハーフリンガル部分矯正の値段は大体30万円〜70万円、期間は大体一年程度となります。
部分矯正の期間は?
部分矯正の期間は対象となる歯の本数や症状の軽重、矯正装置やプランなどによって異なりますが、全体矯正よりは短くなります。
大体期間としては1か月で終わる場合もあれば1年ほどかかる場合もあります。
これはいわゆる歯を動かす期間である「動的治療」の期間のことを指し、実はこれに加えて歯科矯正には「保定期間」と呼ばれる期間も存在します。
「保定期間」とは、歯を動かした後に、歯はもともとあった場所に戻ろうとする性質(後戻り)があり、それを避けるためにリテーナーと呼ばれる装置で固定する期間を指します。
この期間は動的治療期間と同程度は必要とされるため、2~3年ほど見たほうが良いでしょう。
保定期間が長ければ長いほど歯並びは安定するので、なかにはさらに長い期間、リテーナーを装着し続ける人もいます。
矯正の値段を高く感じる理由
歯科矯正は数十万円から百数十万円掛かる治療であり、かなり割高に感じると思います。
その理由としては主に以下のものがあります。
最も大きい理由として、保険適用がされないことが挙げられます。
歯科矯正は、多くの場合見た目を整えるための治療と捉えられるため、自由診療となるケースが多いです。
そうなると全額自己負担になってしまうため、矯正の値段は高額になります。
一方で、顎変形症に該当する場合などは一部保険が適用されることもあるので調べてみるとよいでしょう。
以上の理由で矯正費用は高額な治療であると感じやすいですが、一方で、一生分の投資であると考えるといかがでしょうか?
例えば治療費が100万円だとしてもその後60年歯並びが良くなると仮定したら、1か月あたり大体1,400円ほどの買い物となります。
自己投資として他に考えられるジム契約やサプリメント服用などと比較してもかなり割安な投資とも捉えられます。
しかも、かなり費用対効果も高いですし確実な投資でもあります。
そういった観点を持つと意外と矯正治療は検討に値すると言えると思います。
負担軽減のためにデンタルローンを利用することも!
矯正治療は高額なため、一括で支払う場合にはかなり負担感が大きくなってしまいます。そういった方向けに「デンタルローン」というものがあるのはご存じでしょうか。ここからはデンタルローンについて解説していきます。
デンタルローンとは?
デンタルローンとは信販会社や金融機関などが提供しているローン商品のことを指し、そのなかでも、矯正治療を専門にした商品を言います。
デンタルローンは歯科医院が窓口となって受け付けていることが多いので、興味がある人はカウンセリングの時などに聞いてみるとよいでしょう。
また、デンタルローン以外にも分割支払いの方法としてカードローンやクレジットカードといったものもあるので併せて検討してみるとよいでしょう。
デンタルローンのメリット
デンタルローンのメリットは主に2つあります。
1点目は、カードローンなどと比較すると金利が割安であるということが挙げられます。デンタルローンの金利は年率5.0%前後となっており、カードローンと比較して金利は低くなっていることが多いです。
2点目は追加で借り入れができない分、返済がしやすいということが挙げられます。追加で借り入れができないのは一方で返済計画が立てやすいことを意味しており、そのため無理なく治療に臨むことができます。
ローン申込みの流れ
デンタルローンの申し込みについては簡単に説明すると、カウンセリング→治療決定→医院などで受け付け→審査→審査が通ると支払い・治療開始という流れとなります。
歯科医院でデンタルローンを利用したい旨を話すと、パンフレット等をもらえることがあるのでしっかり読み込んで利用を決定しましょう。
部分矯正のデメリット
部分矯正は前述のとおり全体矯正と比較したときに値段が安い・期間が短いということがメリットとしてありました。その一方でデメリットも存在するので注意しましょう。
部分矯正のデメリットは、主に
・前歯しか動かせない
・ごく軽度の症例しか対応が難しい(仮に部分矯正を行ったとしても、思うように歯が動かせなかったなど)
・抜歯を必要とする症例では対応できない
といったことが挙げられます。そのため、基本的に、ごく軽度の症例向きと言えます。
前歯しか動かせない
部分矯正は見た目を調整し一部分を動かす、という治療です。そのため、具体的には外から見える範囲の前歯の移動のみの治療となります。
ごく軽度の症例しか対応できない
全体矯正と比較すると部分矯正は対応できる症例も限られてきます。
例えば出っ歯や叢生の度合いが重症である場合は、ガタガタしすぎて対応できないことがあります。また、骨格や噛み合わせのずれなどの問題がある場合も対応できません。
抜歯を必要とする症例では対応できない
抜歯を必要とする症例は基本的には全体矯正の守備範囲となります。歯並びがガタガタな場合は歯を動かすスペースが必要なので、部分矯正でもそのスペースを作るために歯を削るなど歯列を拡大する処置がとられることもあります。
部分矯正の治療の流れ
部分矯正は基本的に次のような流れで進んでいきます。
・相談
・精密検査
・治療方針の決定と支払い
・治療開始、通院
・保定期間
以下に詳しく説明していきたいと思います。
初診から治療開始まで
まずは、歯科医院に連絡して相談をします。
治療に関する疑問点や懸念点などをここで消化しておきましょう。
このときはまだ相談の段階なので様々な医院を訪ねるなどして比較検討するのも良いでしょう。
ただし、無料で相談できるところもあれば5,000円ほどの相談料が掛かる医院もあるので注意してください。
その後、治療する医院が決まったら、口腔内の具体的な情報を確認するために精密検査を行います。
ここで得た情報をもとに具体的な治療方針を確定していきます。
その後、治療方針(矯正装置や期間など)が決まったら治療開始となります。
デンタルローンに興味がある方はこのフェーズの前後で意思を伝えておき、利用しましょう。
動的治療期間の流れ
動的治療期間とはいわゆる歯を動かす期間となります。
この期間は痛みや出血、装置の破損など様々なトラブルが考えられるのでその際は遠慮せずに歯科医院に相談しましょう。
また、それとは別に定期的に通院して治療の経過を確認します。
この際に歯がうまく動いていないといったことやその他不調があれば、装置の再製作や治療方針の再決定などを行う必要があります。
保定期間について
動的治療が終わったら、その後静的治療が行われます。
静的治療とは、先述した後戻りを防ぐために保定装置をつけるものでその期間を保定期間といいます。
保定期間は歯の位置を安定させるために重要です。
通院の頻度は動的治療期間よりは減るものの定期的にチェックしてもらう必要があります。
また、期間は2〜3年となり、長い期間治療する必要があります。
また、なかには必要性を感じて自主的にそれ以上の期間を保定期間に充てる方もいます。
部分矯正を成功させるためには
部分矯正を成功させるためには、しっかりと自分にあった治療を行うことが大切です。
そのためにはどのような治療を行った場合に治療が失敗し、そういった場合にどのようにすれば良いのか、したら良かったのかを理解しておくことは重要です。
失敗例と対処法
失敗例としては歯並びはそろった一方で顎がずれてしまうという場合が考えられます。
こういった場合は事前に治療のシミュレーションができる歯科などで術後の状態、終了時の歯の位置の予想を確認しておきましょう。
次に、マウスピース矯正など自身で取り外しができる装置を使用した場合には、装置を外した時間が長すぎると歯が思うように動かなくなることがあります。
また、保定期間にリテーナーの装着を怠ると後戻りが起こります。
そういった場合は再度動的治療に取り組むことになります。そうならないためにも装置の装着はしっかりしましょう。
また、自身では動きがおかしいことに気づかない場合もあるのでしっかり定期的に通院するようにしましょう。
満足のいく治療にするために
満足のいく治療にするためには、しっかりと納得したうえで治療に臨むことが大切です。
そのためにはカウンセリングで聞くべきことを聞いておき、疑問や不安がない状態にしましょう。
さらに、通院により治療費がかさむことがあるので装置の値段だけでなく総額をしっかり把握しておき、あらかじめ全容を理解したうえで治療に進むとよいでしょう。
カウンセリングでの質問リスト
具体的にカウンセリングで聞いた方が良いことを簡単にまとめました。満足のいく治療を行うためにもしっかりと聞くべきことは聞いておきましょう。詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください!
事前に準備する質問
まず事前に思っていることはしっかり聞いておきましょう。
例えば、治療の期間や値段に関する疑問や不安、自身の希望する矯正装置は使えるのかなどといったことは聞いておきたいです。また、自身の歯の状態を把握しておくことも大切です。
自分でインターネットや書籍などを用いて調査しておくことが大切です。
医師への具体的な質問
医師は様々な症例を経験しているので、メディアよりも多くの情報を有しています。
そのため、医師にしか答えられないような情報を聞くのも手です。
例えば自分と似たような症例の患者はどのような治療方針をとったか、その患者にはどのような問題が発生したかなどといったことを聞きましょう。
さらに、抜歯の有無も確認しましょう。
また、その医院ならではの特徴や料金体系など独自の要素もあるのでそこも事前にすり合わせておきましょう。
予算に関する質問
予算に関する質問はしっかりしておきましょう。
特に、リーズナブルな矯正装置は使えるか、使えないならそれはなぜかを聞いておきましょう。
そうすれば、本当に納得したうえで治療に取り組めると思います。
また、精密検査料・矯正装置料・保定装置料・調整料などを含めた総額もしっかり把握しておきましょう。
さらに、この際に支払い方法もしっかり確認しておきましょう。
値段以外の選択基準
多くの方は矯正にかかる費用を軸に治療を受ける歯科医院を決定すると思います。
しかし、それだけで医院を決定すると思わぬところで治療に響いてくることがありますので他の選択基準も持っておきましょう。
医院の評判と実績
まずは、医院の評判と実績です。
これは口コミなどを確認し実際に治療を受けた方の意見を参考にしてみるとよいでしょう。
本当に治療に寄り添ってくれるのか、失敗した人はいないかなどそういった情報も大切です。
また、医師が日本矯正歯科学会の認定医資格や指導医資格を持っているかということも判断材料の一つとなります。
こういった資格を持っている先生は日本矯正歯科学会により十分な歯科矯正の知識を経験があると認められている先生なので、安心できます。
しかし、認定医や指導医といった資格を持っている先生は多くないので、こういった資格を持っている医院に限定して医院を探すのは大変です。
また、認定医などの資格を持っていない先生でも非常に豊富な知識と経験を持っている先生もいらっしゃいます。
そのため、「資格」を判断基準にするのはあくまで一つの手段としてとらえてください。
通いやすさ
通いやすさは地味ですが通院のしやすさにつながるので重要です。
というのも通院しにくいと通院をさぼりやすくなり、結果として定期的なチェックを受けられず、予定通りに治療が進まないことがあります。
さらに最悪な場合、再治療が必要となってしまうこともあります。
カウンセリングに行く段階で交通機関の状況を確かめておき、無理なく通院できる範囲の医院を選びましょう。
医院の雰囲気
通いやすさに関連する要素ではありますが、医院の雰囲気も大切です。
医院の雰囲気が良いと心理的に通いやすくなりますよね。
実際にカウンセリングを受けてみて医院の雰囲気を肌感で理解しておくのも大切です。
以下のサイトでは医院探しのポイントについてまとめていますので、ご参考にしてください。
歯科矯正中のホワイトニングはできるのか
審美的な目的で矯正治療に臨んでいる方なら、当然歯の美しさを引き出すホワイトニングにも興味があるかと思います。矯正治療中は歯が黄ばみやすくなるのも抵抗がありますよね。
そこで矯正治療を行いつつホワイトニングもできるのか紹介します。
歯科矯正とホワイトニングを同時に行えるの?
結論から言うと、矯正とホワイトニングの同時並行は場合によっては可能です。
①表側に装置がついている場合は器具が邪魔になりオフィスホワイトニングはできない場合が多い(裏側矯正はできる)
②ワイヤー矯正でもホワイトニング歯磨き剤程度であればできる
③マウスピース矯正の場合はマウスピースにホームホワイトニング用の薬剤を塗布しておこなえる
基本的にこのように押さえておけば良いでしょう。
ただし、歯に痛みがある場合、18歳未満の方などは痛みが激しくなったり歯根に悪影響が出たりする場合があるのでホワイトニングはできません。
Q&A
部分矯正のよくある質問
①部分矯正の期間が短いのはなぜ?
→前歯のみを動かす部分矯正では動かしにくい奥歯から動かしていく全体矯正より期間が短くなります。
②部分矯正ができる症状は?
→「軽度の叢生」、「軽度の出っ歯」、「すきっ歯」、「正中のずれ」、「後戻り」といったものになります。詳しくはカウンセリングで確認しましょう。
③インプラントがありますができますか?
→インプラントは動かせません。自分の歯のみ矯正が可能です。
デンタルローンのよくある質問
①デンタルローンの審査は厳しい?
→基本的に18歳以上で安定した収入があれば契約可能ですが、未成年の場合や学生・専業主婦の場合は保護者の許可や連帯保証人が必要となることがほとんどです。
②返済回数は?
→契約するローン会社によります。医院により提携しているローン会社が異なるので、ご自身でカウンセリング等の機会に確認しましょう。
まとめ
これまで、部分矯正の特徴や値段、期間について紹介しました。
基本的に部分矯正は前歯のみを動かし、見た目を整える目的の治療であり、重度の不正咬合には対応できません。また、自由診療となり負担額も大きいです。
そのため、負担を減らしたい方は、デンタルローンを利用することも検討しましょう。
さらに、値段以外にも重要な要素があるので多角的に検討したうえでご自身に最適な医院を見つけることが大切です。
その際にはしっかりとカウンセリングを受け、プロの意見を聞くことが大切です。
しかし、自分で予約を取ったり医院を見つけたりすることは面倒ですよね。
そんな方向けに無料で歯科衛生士が相談にのり、症状や希望条件などから自分にあった医院を紹介し、予約の代行までを行う「デンタルジュ」というサービスがあります。
少し、矯正に興味が出てきたけど、何をしたらいいのか悩んでいる方はまずデンタルジュでミニマムな一歩を踏み出しませんか?