歯列矯正で「抜歯」が必要なケースと必要でないケース!抜歯をする目的は?

  • 2021.09.142024.02.29
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矯正治療を考えた時に、不安材料の一つとして「抜歯」が挙げられるのではないでしょうか?

歯科矯正では健康な歯であっても歯をキレイに並べる上で抜歯が必要なケースが多いです。

今回は、矯正治療において抜歯が必要なケースと、非抜歯でも対応可能なケース、抜歯が必要な理由などについてお話ししていきます。

本記事では以下の内容を紹介していきます。

・抜歯はスペースを作り矯正治療を成功しやすくするために必要
・叢生や出っ歯、過剰歯などの場合に抜歯はよく行われる
・抜歯にはメリット、デメリットがそれぞれある
・抜歯をしないことで歯並びにリスクが生じることも
・抜歯は局所麻酔→抜歯→(縫合)→ガーゼを噛む→止血確認、完了という流れで行われる

ぜひ参考にしてみてください。

矯正治療に「抜歯」が必要な理由


矯正治療で抜歯が必要になる理由としては主に次のようなものがあります。

 

  • 歯がキレイに並ぶためのスペースを確保する
  • 上下の噛み合わせのズレを修正する
  • 前歯の位置や角度の改善

 

以上の3つが挙げられますが、基本的に歯をワイヤーで並べるだけではキレイな歯並びにならない、または噛み合わせが改善されないような場合は抜歯が必要になります。

最近は食生活などの変化により骨格が以前よりも小さい人が増えてきました。

そのため、顎のサイズに対して歯が大きすぎてしまい歯が並びきれず歯が凸凹になってしまっている、前歯が前に突出してしまっているなどの問題が出やすくなってしまっています。

抜歯を行うことで、歯がキレイに横に並ぶスペースを作り出してあげ、ワイヤーなどの矯正装置によって歯を動かしていきます。

特に日本人は欧米人に比べても顔が小さく、顎の骨が狭いので矯正治療で抜歯が必要になるケースは7〜8割にもなると言われています。

そのため、基本的に矯正治療を行う場合は「抜歯」も一緒に行う可能性が高いということを理解しておきましょう。

矯正では「便宜抜歯」になる

矯正治療で抜歯を行う場合には「便宜(べんぎ)抜歯」という名目で歯を抜くことになります。

便宜抜歯は、名前の通り健康な歯であっても、便宜的に抜歯をし、歯を並べるスペースを確保するために行います。

便宜抜歯は矯正治療の一部になりますので、残念ながら保険治療の適用対象にはならず「自費治療」になります。

1本あたり5000円〜15000円ほどの抜歯代がかかりますので、理解しておきましょう。

便宜抜歯は、矯正を行う医院で一緒にしてもらえる場合もあれば、矯正専門の医院では抜歯などの一般歯科に対応していないこともあるので他の歯科医院を紹介されることもあります。

ご自身の通いたい歯科医院が抜歯も一緒にしてくれるのか、事前にリサーチし、もしできない場合には複数の歯科医院を探しておきましょう。

矯正専門医院であれば、抜歯をしてもらえる医院を紹介してくれることもあります。

抜歯の可能性が高い歯並び

ここでは、矯正治療をするにあたって抜歯をする可能性が高い歯並びをいくつかご紹介していきます。

もちろん、ここに挙げていても抜歯が必要ないケースや、ここに挙げていなくても抜歯が必要になるケースなどもありますので、理解しておきましょう。

 

  • 歯がデコボコに生えている
  • 前歯(上下または、どちらか)が以上に突出している
  • 親知らずが生えている
  • いくつかの歯が内側または外側に飛び出している
  • 犬歯が目立つ
  • 過剰歯がある
  • 顎に対して歯のサイズが大きい

 

以上で挙げた歯並びに当てはまる方は、抜歯の可能性が高くなります。

特に歯がデコボコしてしまっている、出っ歯の状態になっている人は歯が並ぶスペースがないために抜歯は必須になることが多いようです。

また、親知らずが生えている場合も特殊なケース(歯を失ってしまった部分をカバーするなど)を除いては基本的に全て抜歯するということを理解しておきましょう。

もし親知らずが4本全て生えている+便宜抜歯として4本(上下左右)の第一小臼歯を抜く必要がある場合は、最大で8本もの歯を抜かないといけないケースもあります。

抜歯が必要ないケース

抜歯が必要ないケースとしては、抜歯をしなくても歯の並ぶスペースがある場合や前歯のみを動かす部分矯正などが当てはまります。

特に、前歯など歯の間に隙間が空いている「すきっ歯(正中離開や空隙歯列)」の方は、抜歯をしなくても矯正器具のみで歯をキレイに並べることができます。(抜歯をすることもあります)

抜歯のメリット・デメリット

ここまでで抜歯について大まかに理解していただけたかと思います。

ここからは実際に抜歯をおこなうか決定するのに参考になるメリット・デメリットについて紹介していきたいと思います。

抜歯のメリット

抜歯のメリットとしては大まかに難しい症例にも対応できるようになる、治療計画が立てやすくなる、治療期間が短くなることがある、Eラインを整えられるという4点が考えられます。

対応できる症例が増える

近年、非抜歯で対応できる症例は増加傾向にありますがそれでも全ての症例において非抜歯でおこなえるわけではありません。

特に、がたつきの多い症例などの難しい症例では抜歯をすることでスムーズに歯を並べられるスペースを確保できるので矯正治療の成功率も上がります。

治療計画が立てやすくなる

抜歯をすると歯を動かすのがスムーズになります。

逆に、スペースが足りない状態で矯正治療を行うと思うように歯を動かせなかったり、予期せぬトラブルに見舞われたりする可能性があり、治療計画を立てにくくなります。

そのため、抜歯をすることは矯正治療の計画を立てやすくするというメリットがあると言えます。

治療期間を短縮できることも

先述のとおり、抜歯をすると歯がスムーズに動かせるようになるので治療期間そのものを短縮することができます。

例えば、何かイベントを控えていて少しでも早く矯正治療を進めたいという方は抜歯を検討しても良いかもしれません。

ただし、抜歯したスペースを埋めるだけでも時間がかかるため、そこまで治療期間が短縮できない場合もあるので注意してください。

Eラインの基準を満たしやすくなる

Eラインとは下あごと鼻先を結ぶ線のことです。

一般的にこの線のやや内側に唇が収まっているときれいな横顔であるといわれます。

矯正治療に臨むなら、きれいな横顔を目指したい人が多いでしょう。

ただ、抜歯をせずに矯正治療に臨んでしまうと、歯の並ぶスペースが足りずに歯が前方に突出してしまう可能性があります。

その場合には、唇が前に出てしまい美しいEラインの基準を満たしにくくなってしまいます。

抜歯のデメリット

抜歯のデメリットとしては、痛みや腫れが生じたり、健康な歯を抜かなくてはいけなかったり、費用がプラスで掛かってしまったりする点が挙げられます。

痛み・腫れのリスク

抜歯では基本的にそこまで長くは続かないものの、3日程度痛みや腫れが出ることがあります。

これはよくある事ではありますが、どうしても痛みを我慢できない場合は氷嚢で冷やしたり、痛み止めの薬を服用したりして対応しましょう。

もし、あまりに痛みが激しかったり、いつまでたっても痛みが無くならなかったり異常だと感じた場合は担当の歯科医師に相談しましょう。

健康な歯を失うことへの抵抗感

抜歯をする人の中には、健康な歯を失うことへの抵抗感を抱く人もいるかもしれません。

ただし、後述のリスクも考慮すると、治療自体を成功に導くために抜歯は無理に避けるべきではありません。

また、抜歯の手術で抜く歯は基本的には第一小臼歯または、第二小臼歯という、前から4,5番目の歯になります。

この歯は基本的には抜歯で取り除いてもあまり噛み合わせに影響が出にくいといわれています。

もし、抜歯に対し機能的な不安があれば、担当医に相談し詳しく理解するのも良いと思います。

追加で費用が掛かることも

歯科矯正の抜歯に際しては、基本的には費用が発生します。

先述のとおり、一本あたり5000~15000円の追加料金が発生するイメージです。

そのため、抜歯が必要な症例では装置代や検査代などの当初見積もっていた費用よりも高額になることがあるので事前に把握しておくとよいでしょう。

抜歯をしないリスク

ここからは、逆に抜歯をしないことでどのようなリスクが生じるのかを紹介していきます。

歯がきれいに並びきらない

先述のとおり、抜歯には歯を移動させるスペースを確保するという目的があります。

そのため、抜歯をせずに歯を無理に移動させるとスペース不足が原因で歯がきれいに並びきらなくなってしまうことがあります。

無理に並べようとした結果、最悪な場合、歯ぐきから歯の根っこが露出してしまう可能性もあります。

出っ歯になる可能性

仮に抜歯をせずに矯正治療を行いたい場合には、後述する歯列拡大を行うことがあります。

顎の成長が止まっている大人の場合には歯列が外側に傾いてしまい、出っ歯になってしまうリスクがあります。

噛み合わせが変わる

抜歯をしないで歯を動かすと噛み合わせがずれることがあります。

噛み合わせがずれると、歯や顎に負担をかけることになり、将来歯を失うリスクや顎関節に過剰な負担を与える危険性があります。

抜歯の流れ

ここからは実際に抜歯をおこなう際には、どのような手順で進んでいくのかを紹介します。

簡単に以下のような流れで進んでいきます。

局所麻酔→抜歯→縫合→ガーゼを噛む→止血確認、完了

注意点としては次の要素があります。

まず、抜歯後に危険なことや運動をしたり、麻酔が切れる前に食事をとったりすることは避けましょう

また、抜歯後には体調に気を付けて無理はしないようにしましょう

さらに、抜歯前の注意点としては、血液をさらさらにする薬の服用は控えることが挙げられます

抜歯する際にはどれくらいの本数抜くの?

抜歯の手術一回当たりの抜歯する本数は、大体1本である医院が多く、なかには上下2本ずつの抜歯をおこなう医院もあります。
抜歯については以下の記事に詳しくあるのでぜひ読んでみてください。

こちらも参考に!

歯科矯正では必ず抜歯をしなければいけないの?抜歯のメリット・デメリットは?

抜歯矯正で後悔する?デメリット・メリットを詳しく解説します!

抜歯なしで治療する方法


最近では、非抜歯での治療を行うことのできる歯科医院も多くなってきました。

そこで抜歯の代わりに歯を並べる方法をいくつかご紹介していきます。

奥歯を後ろに移動させる

奥歯を後ろに移動させることで、前方に歯が並ぶスペースができるため抜歯が必要なくなります。

奥歯を後ろに移動させる際には、矯正用のアンカースクリューを使用したりヘッドギア装置を使用したりします。

ただし、面長の方など、骨格に前後の奥行きがあまりない人はこの方法が向いておらずあまり効果を得られないことがあります。

歯列の幅を広げる

私たちの歯列(歯の並び)はUの字型をしていますが、この形を外に広げることで歯の間にスペースを作り、歯を正常な位置へ動かしやすくしていきます。これを歯列拡大といいます。

ちなみにこの方法では、前歯の位置はやや前に傾斜することがあり、前述のとおり、出っ歯になるリスクも考えられます。

歯を少し削る

最後の方法は、歯と歯の間を少し削る「ディスキング」という処置を行うことで、歯の間にスペースを作り歯を並べていくものです。

マウスピースを使うインビザライン矯正では、このディスキングをすることが多いです。

歯はいくつかの層になってできていますが、一番表面にあるエナメル質は約1mm〜2mmほどの厚さになります。

ディスキングではほんの0.25mmほど削る程度ですので、基本的に歯に問題はありません。

人によっては知覚過敏のような症状が出ることもありますが、しばらくすると落ち着くことがほとんどです。

しかし、ディスキングではごく少量しか削れないために、軽度の不正咬合などにしか適応できないということを理解しておきましょう。

抜歯は正しい噛み合わせにするためにも必要な処置

「できれば健康な歯は抜きたくない…。」そう考える気持ちもわかります。

しかし抜歯をすることで歯が正しい位置へと並ぶようになり、今まで正常でなかった噛み合わせが合うことで顎への負担が減り、咀嚼機能が改善されます。

健康な歯が残っていても歯並びが凸凹であったり噛み合わせが悪いと、虫歯や歯周病、顎関節症などのトラブルを起こすリスクが将来的にどんどん高くなっていきます。

抜歯に対するネガティブなイメージよりも、抜歯をすることで得られるメリットをイメージしながら矯正治療を進めていきましょうね!

まとめ

矯正治療で抜歯が必要になった場合は「便宜抜歯」といって、歯が並ぶスペースを確保するために便宜的に抜歯をおこなっていきます。

この便宜抜歯は保険適用にはなりませんので、矯正治療代に追加で1本あたり5000円〜15000円あたり追加されていくということを理解しておきましょう。

抜歯が必要になるケースの多くが、歯がデコボコに生えてしまっている、前歯が前に突出してしまっているというものです。

逆に歯と歯の間に隙間がある正中離開や、前歯部分のみを矯正する部分矯正では抜歯が必要ないことが多いです。

健康な歯を抜くということでマイナスなイメージを持たれがちですが、抜歯は美しく健康な歯並びに必要な処置であるということを知っておきましょう。

健康な歯を抜くということでマイナスなイメージを持たれがちですが、抜歯は美しく健康な歯並びに必要な処置であるということを知っておきましょう。

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